イノウエのたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

日本企業がマルチ商法で、市民1000人から、28億円も吸い上げる事件が起きた。台湾では日本人に対する信頼が厚いが、これを利用した恥ずべき犯罪だ。 その絡みで、初めて台湾の検察に行ってみた。広報担当の検事がいて、その個室は出入り自由。日本よりオープンだ。被疑者の住所、生年月日を教えろといったら、「そんなもの教えられる訳ないだろ」と怒られちゃいました。日本よりも人権感覚が上かもしれない。 私のような弱小メディアの記者にとって、記者クラブ制度がないことは本当にありがたい。日本だったらクラブに加盟していないことを理由に、広報担当の次席検事らが会ってくれることはまずない。 なお、検事の個室には、中国時報とか台湾の他社の記者も個室のソファにだらだら座っている。座卓の上にせんべいのよう菓子類が乗っていて、それを食べながら雑談しているさまは、日本の記者室そっくり。そして、記者が、偉くもないのに偉そうにしてるのは、日本と同じでした。

自宅の4階建てアパートの1階は店舗で、オートバイの修理屋がある。油で黒ずんだコンクリートの床と壁。片隅に250CCの年代物がでんと置かれ、赤い字で「売り物」の札。台北でバイクは庶民の足だから、ぽつぽつ客が寄る。灰色の作業服の老店主がいつも店先に腰掛けている。岸信介元首相に似て、立派な風貌だ。 「この上にお住まいですか」。それまで、ちらちらと視線を送ってきていた老店主が、意を決したように話しかけてきた。小学校6年まで日本語教育を受けていたという。「おいくつですか」「昭和6年です」「日本語がお上手ですね」「いや、あれ以来話しませんので、言葉がうまくつながりません」。祖父母を思い出させる丁寧な楷書の日本語だ。 あたりは日本時代「大龍ドウ町」(ドウは山へんに同)と呼ばれた古い町。いつか昔話を聞こうと思っている。

日本人によるタクシー運転手暴行事件の取材、初めて台湾の刑事裁判を傍聴した。日本の刑事裁判は口頭主義なので、検事や弁護士がひたすら書面を読み上げていく。 台湾も建前は口頭主義らしいのだが、実際は3者で判決文の字句を詰める作業を法廷で延々と続ける。「検察官は犯行が極めて残酷で、社会に与える影響を大きいと述べた…マル(。)…と。弁護人、よろしいか」という感じ。ビジネスマンが契約書の内容をめぐり交渉しているかのようだ。 被害者の弁護人も検事と同席し、賠償関連の民事的な話し合いも同時に進む。法廷が、被告人をめぐる検察+被害者側と弁護側の駆け引きの場となっている。日本の刑事裁判は多くは弁護人がかなり控え目で、丁々発止にはなかなかならない。台湾のように、被告人の利益を守る争いがもっとあってもいいのかも知れない。

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