2019年2月21日華 カナダでの孟晩舟CFO(最高財務責任者)の逮捕騒動で世界の耳目を集めた華為技術(華為、ファーウェイ)。日米欧など西側諸国で、安全保障上の懸念から同社製品を排除の動きが強まる中、台湾では既に通信インフラでファーウェイ製品が大量に使われ、国家の安全保障に大穴が空いていると米専門誌・ナショナルインタレストが警鐘を鳴らした。

 ファーウェイは早くも2005年に香港支社を通じて台湾に事務所を開設したが、わずか10カ月で台湾当局に閉鎖を命じられた。しかし12年になって、台湾通信キャリア各社の回線網の基幹部分に、既に大量のファーフェイ製品が使われていることが分かった。情報機関の調べでは、台湾の防諜・捜査機関である法務省調査局や、総統府のネットワークカードがなんとファーウェイ製だった。

 台湾のサイバーセキュリティーの専門家によると、ファーウェイが密かに設けたバックドアは、スパイの役割も果たるし破壊工作もできるので二重の脅威だ。世界のハッカーが愛用するサーチエンジン「Shodan」で調べると、台湾の至る所でファーウェイの製品が使われている証拠が見つかるという。

 専門家は「ファーウェイと中興通訊(ZTE)の製品は基本的に安全でない。政府は調達で厳しい審査を行うとともに、国民にも警戒を呼び掛けるべきだ」と話している。

ただ、台北市近郊の新北市では、市政府主催のクリスマスイベントで、ファーウェイが3年連続で最大のスポンサーになっていたことが判明。今年4月には、台湾にスマートフォン販売の旗艦店をオープンするなど着実に浸透している。一部台湾メディアは「われわれにはファーウェイへの警戒心が欠けている」と嘆いている。