2019年6月12日韓2 最大与党、国民党の韓国瑜・高雄市長は8日、台湾・東部の花蓮市で支持者が開いた集会で、2020年の総統選挙の党候補者を選ぶ予備選に参加を届け出たと述べました。台湾のTVBSテレビによれば、本人が総統選出馬を公の場で明言したのは初めとのことです。

 集会は花蓮市中心部の東大門夜市周辺で行われ、ネットメディアの上報によると、参加者は主催者発表で15万人に上りました。

 集会は午後2時から始まり、歌やダンスのパフォーマンスが延々と続きました。終了間際の午後5時20分、韓国瑜氏はワゴン車で会場に乗り付け、殺到する支援者に囲まれてもみくちゃになりながら、李佳芬夫人とともに登壇しました。

 韓氏は、国民党の予備選に届け出たことを明らかにした後、総統に当選すれば「あらゆる建設は、都市と地方を分け隔てしない」と述べ、花蓮など地方を重視する姿勢を強調しました。
 
 台湾東部の振興策として、宜蘭県と花蓮県を結ぶ省道の改良2期工事に早期着手、台中市と南投県を結ぶ国道6号線の花蓮への延長し、台中と花蓮を1時間以内の生活圏にすることなどを訴えました。

2019年6月12日韓3 韓市長の支持者は1日にも、台北市の総統府前の「凱達格蘭大道」で約40万人を集めて同様の集会を行っています。韓市長はその際、「いかなる要職に就く準備ができている。中華民国のため粉骨砕身働く」と語り、総統選出馬を示唆しました。

 TVBSテレビによると、台北と花蓮の集会は、韓市長の熱烈な支持者が主催したとされているものの、実際には「国民政党連盟主席」で宗教団体「救世会」創設者の妙天氏と、前花蓮県長の傅コン(山へんにコン)キ(くさかんむりに其)氏の支援が大きかったようです。

 韓氏の2度に渡る大集会は、予備選で優位に立つため。ただ、TVBSによると、世論調査の専門家である戴立安氏は「集会参加者の多寡で支持率が高まることはない。また、集会は支持率の低下を防ぐため。しかし、このような熱を維持し、1カ月後も効果が続くかどうかは、なお見守る必要がある」と話しています。

2019年6月12日韓4 国民党の広報部門、文化伝播委員会の黄子哲副主任委員も、韓国瑜氏が政見や理念を語らず、主張が空疎に過ぎることや、高雄市長の職務を疎かにしていることを疑問視しています。






(写真はいずれも筆者撮影=8日花蓮)

★参考情報★
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