井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2016年08月

 中国による台湾侵攻を想定した、台湾軍の「漢光32号演習」に実弾演習「聯勇操演」が25日、屏東県の訓練基地で行われ、蔡英文総統が、3軍の最高司令官として初めて参加した。聯合報、自由時報が伝えた。
 蔡総統は、迷彩服にヘルメット姿で演説し「国防部が兵士の個人装備の向上を、優先施策として取り組んでいる。また、国防部に命じ、来年1月には新しい内容の軍事戦略を完成させる」と述べた。
 演習は無人機の偵察から始まり、空中からの攻撃、砲兵の援護射撃、対戦車攻撃に続き、火砲の援護下、警戒中の敵陣地を攻撃。最後に突撃した後、追撃に移って敵陣地を占領した。
 国防部によると、F16戦闘機、海軍の済陽級揚陸艦、AH-64E型ヘリ「アパッチ」、CM11戦車など21種類、143点の装備が使われた。7893発の砲弾が発射され、近年では最大規模の実弾演習となった。



 中国は16日午前1時40分、甘粛省の酒泉衛星発射センターで、ロケット「長征2号丁」を使い、世界初の量子科学実験衛星「墨子」の打ち上げに成功した。中国新聞社などが伝えた。
 「墨子」は、「量子情報通信」に使われる暗号技術の1つ「量子鍵配送」の実験などを行う。量子情報通信は、情報窃取が困難な安全性の高い通信手段で、欧米各国なども研究を進めている。
 衛星は600キログラム。地上500キロメートルの太陽同期軌道(SSO)に投入され、90分で地球を一周する。 専門家によると、量子衛星が軌道に投入されると「量子鍵」を地球に送信できる。「量子鍵」は解読も奪取も不可能だという。



南シナ海の領有権を巡り、中国の主張を一蹴したオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判決。台湾が実効する太平島を、排他的経済水域(EEZ)を設けられる「島」はなく「岩」と認定したことに、民衆とともに蔡英文政権にも衝撃が広がった。


ニューサイト・「風伝媒」によると蔡英文政権は、事前のシミュレーションで、判決が太平島に言及せず、中国、台湾、フィリピンが領有権を争う黄岩島(スカロボー礁)に触れるだけとみていた。太平島を島とすら認めない判決に、李大維外相は「最悪だ」とうめいた。


蔡総統は、判決が出た712日、「絶対に受け入れられない」との声明を発表した。中国同様、判決を全面拒否する強硬な内容で、米国も不快感を示したが、国内の民族主義への配慮を最優先にした。実際、与野党の立法委員(国会議員)8人が720日、軍用機で同島に上陸し、台湾の主権をアピールしている。


ただ、与党・民主進歩党(民進党)と政府は、歴代政権が主張してきた南シナ海全域の領有を示す「U字線」(中国の「九段線」と同じ)に今後は一切触れず、太平島など実効支配する島・岩礁の主権の主張にとどめることを決めたとされる。


中国国務院(内閣)台湾事務弁公室はこのほど、「U字線」の堅持とともに、南シナ海での共闘を蔡政権に求めたが、対中関係を所管する行政院(内閣)大陸委員会の張小月主任委員は即座に拒否した。米国、日本、東南アジアとの良好な関係を重視するためとみられる。



↑このページのトップヘ