井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2017年06月

 武器売却米国務省報道官は29日(現地時間)、ミサイル、魚雷など総額14億2000万米ドルの兵器を台湾に売却することを決め、議会に通知したことを明らかにしました。トランプ政権が誕生後、台湾へ武器売却を決めたのは初めてです。中国の猛反発は必至です。中央社が29日伝えました。(写真は、聯合報のキャプチャー)

 実際の武器売却には議会の承認が必要で、30日以内であれば反対できます。これまでの例だと米議会は熱烈に支持するのが通常とのことです。

 国務省によると、売却の内容は早期警戒用レーダーに関する技術支援、高速度対レーダーミサイル(HARM)、魚雷、艦対空ミサイル「スタンダードSM2」などとのことです。

 米高官は今年3月、米政府が台湾への大規模な武器売却を計画しているものの、尻すぼみになったと話していました。トランプ大統領が中国を説得して、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止のため影響力を行使させようとしていたためです。

 30日付中国時報によると、米国駐在の崔天凱・中国大使は29日、米国による台湾への武器売却について米中の信頼を損なう行動だと述べて強く反発しました。既に米政府に対し厳しく抗議したとのことです。

◆米軍艦の台湾寄港を許可する法案も可決
 
 28日には、米上院軍事委員会が、米軍艦艇の台湾寄港復活を盛り込んだ国防権限法(NDAA)案を可決しています。実現すれば1979年、米国が「1つの中国」政策の実施後、初めてとなります。中国はこちらにも強く反発しており、中国外交部は29日米国に抗議したことを明らかにしました。

 米政府高官は国防権限法案の可決について「北朝鮮問題で何もしないことと、米中貿易問題のせいで、トランプ大統領は中国に我慢ならなくなっている」と述べました。

 同性婚家族登記司法院大法官会議(憲法法廷)が5月、結婚の前提を男女間と定めた民法の規定が憲法の趣旨に反するとの解釈を示したことを受け、内政部はこのほど、同性カップルを「家族」として同一戸籍に登記することを7月3日から認めることを決めました。ニュースサイトの上報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 内政部の措置は民法改正までの過渡的な措置です。同性カップルは市政府で「同性パートナー届」をした上、戸籍事務所で登記すれば、権利義務が認められます。お互いに家族としての相互扶養の義務が発生するほか、介護サービスを受ける、パートナーの代理として刑事告訴する、刑務所で家族として接見するなどの権利が認められます。「配偶者」としての権利義務は民法改正などを待つ必要があるとのことです。

 衛生福利部も26日、手術、麻酔の同意書に署名できる同居者、パートナーなどの関係人に関し「性別は問わない」と注記することを決めました。

 司法院大法官会議は、2年以内に立法措置をとるよう求めており、民法改正か特別法の制定が検討されています。

中国スパイ事件 台湾軍ミサイル部隊の元指揮官、謝嘉康少将が中国に情報提供していた疑惑が浮上したことに米政府が激怒しているもようです。台湾陸軍は6月中旬、軍の通信システム更新に関する交渉の打ち切りを米側から突然通告されました。(写真は上報のキャプチャー)

 ニュースサイトの上報によると、米側の通告は「一時停止」ではなく、相当深刻な「打ち切り」となっており、台湾側を慌てさせています。台湾国防部は情報機関を通じ、今回の通告が米トランプ政権による台湾への武器売却の方針を象徴するものかどうか、確認を急いでいます。

 謝少将は台湾陸軍の馬祖防衛部隊の副指揮官在任中、中国側の人物と海外で接触していた疑いが強まり、台湾国防部が5月9日、法務部調査局と合同で捜査に着手しました。謝少将は10万元(約165万円)で保釈されました。

 謝少将は、ミサイル部隊が空軍に移管される前の指揮官で、地対空ミサイルのパトリオット3型や天弓3型、上海、北京を攻撃できる巡航ミサイル「雄二E型」に関する機密情報を掌握していました。中国と内通していたのが事実なら、台湾の国防に大きな損害を与えることになります。

 事件発覚後、窓口機関、米国在台湾協会(AIT)の米軍情報部門が直ちに台湾国防部に詳細を問い合わせて来たそうです。パトリオット3型ミサイルは米国と同盟国のの現役兵器で、中国に機密情報が漏れた場合、プログラムの書き換えなどが必要になるからです。

 ただ、台湾国防部は詳しい内容を把握しておらず、米側を慌てさせたそうです。米側の交渉打ち切りを通告は、台湾側の対応に対する強い不満を示しているとみられます。台湾国防部は、米側との亀裂拡大を防ごうと必死に説得しているとのことです。

セコム炭火 セコムの合弁会社でセキリティ事業を行う中興保全はこのほど炭焼き料理の台湾でのパイオニアとして知られるレストラン「桟直火厨房」を買収、飲食業に進出しました。聯合報が伝えました。(写真は聯合報のキャプチャー)

 既に2店舗目も計画中で、まもなく開店の予定。女性客をターゲットにおしゃれな内装にこだわり、メニューも工夫しています。「Flowers、Meat、Latte」がテーマだそうです。

 経済部の統計によると、台湾では景気が伸び悩む中、飲食業は比較的好調で、2016年の売上高は前年比3.62%増で最近5年間で最高の伸び幅となりました。同社も飲食業に商機をみているようです。
 
「桟直火厨房」の1号店は台北の中山北路一段。築60年超の建物を改装しました。復古的な雰囲気を持ちインダストリアルスタイルの内装。店名の「桟」のロゴを打ち抜いた黒い鉄板が、古い木の梁の間に吊り下げられ、看板代わりになっています。

 同社は飲食業でこのほか、安全なパンとおいしいコーヒーが楽しめるカフェ「中保無限家生活館」を展開し人気を呼んでいます。高齢者を意識した造りで、健康情報を提供したり血圧を計れるコーナーもあります。日本でも受けそうな感じです。

アジアセメント 遠東集団(ファーイースタン・グループ)のアジアセメントによる花蓮・タロコ地区開発の20年延長を政府が許可したことに反発し、市民約3000人が6月25日、台北市中心部でデモ行進しました。風伝媒などが伝えました。(写真は蘋果日報のキャプチャー)

 タロコ開発の状況は、今月初めヘリコプター事故で死亡した、斉柏林監督の空撮記録映画「看見台湾」(邦題・天空からの招待状)で一躍有名になりました。

 2013年に完成した「看見台湾」は台湾の海や山の美しさを伝えるとともに、環境破壊や汚染の実態も明らかにしました。とりわけ緑の山々をえぐるタロコの灰色の開発現場の画面は衝撃的です。

 斉監督は死亡する直前、再びタロコの空中写真を公開し「映画の撮影時より開発現場の穴がさらに深くなった」と嘆いていました。監督の急死でタロコへの関心がさらに高まり、市民団体が集めた開発延長に反対する署名は21万人を超えたそうです。
 
 デモは台北市中心部の行政院前などで行われました。参加者が路上で台湾本島の姿をつくりドローンで撮影するなど、映画を強く連想させるものとなりました。
 

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