井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2017年09月

張総裁2 台北市の台湾大学で24日午後行われた中国本土系の音楽イベント「中国の新しい歌声・上海台北音楽祭」をめぐり、抗議の学生と中台統一派の政党「中華統一促進党」のメンバーが衝突する事件が起きました。〈写真は聯合報のキャプチャー)

 27日付聯合報によると、学生側は4人が棍棒で殴られ負傷したことが分かり、台北地方法院検察署は26日、同党の張安楽総裁ら5人を取り調べました。

 同署は27日、張総裁らに対し殺人未遂容疑で10~25万元(約37万~93万円)の保釈金支払いと出国禁止を命じました。

組織犯罪や資金流入有無も捜査

 ニュースメディアの新頭穀によると、検察は同党の今回事件を治安事件として重視。専門捜査班を組織して、特定の政党やマフィアが暴力的な集団で市民活動を妨害していなかったか、組織犯罪や国外からの資金流入がなかったか調べると発表しました。

 また、専門捜査班は警察や法務部調査局のマネーロンダリング(資金洗浄)部門を指揮し、張安楽総裁や中華統一促進党の実態解明を行います。活動状況、メンバーと行動、資金の流れを調査し「反組織犯罪条例」、「政治献金法」に違反していなかったかも捜査する方針を明らかにしました。

 頼清徳9月27日頼清徳行政院長は26日、立法院で行われた施政報告と質疑で、中台関係に関する認識を野党議員から質問されたのに対し「台湾は1つの独立国家で、名前は中華民国という。(中台は)互いに隷属しない」と述べ、与党の従来の見解を確認しました。上報が26日伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 また、頼院長が就任前に中台関係について示した「親中愛台」という考えは、蔡英文総統が掲げる中台関係の「現状維持」と矛盾しないのかと質されました。頼院長は「台湾と中核とするが、中国にも友好の手を差し伸べ、交流を通じ平和共存の理想を実現したいとの気持ちを示したもの」と答弁しました。交流拡大により平和共存を目指す考えなので矛盾しないとの考えのようです。

 さらに、頼院長がかつて陳水扁元総統の恩赦を主張していたことも聴かれました。頼院長は「個人的な考えは変わらない」としながらも、恩赦は総統の職権で最終決定権を持つと述べました。

 陳水扁元総統は、収賄罪などで有罪判決を受け収監されましたが、病気治療を理由に仮釈放されています。

 彭淮南中央銀行の彭淮南総裁はこのほど、監事会に報告書を提出した際、台湾経済が中国本土と情報通信技術(ICT)産業に依存し過ぎていることが輸出の伸び悩みにつながっているとして懸念を示しました。聯合報が24日伝えました。(写真は聯合報のキャプチャー)

 彭総裁によると、台湾が中国本土とICT産業に過度に依存しているため、輸出が中国のサプライチェーン、米中貿易紛争などから影響を受けやすくなっています。

 彭総裁はこの観点から、頼清徳・行政院長(首相)が9月22日、立法院(議会)に行った初の施政方針演説で実行を約束した「5+2」産業育政策を支持しました。

 「5+2」政策は林全・前内閣が始めたもので、モノのインターネット(IoT)、バイオ医学、グリーンエネルギー、スマート機械、国防産業の5産業の育成と高付加価値型農業とリサイクル経済振興の2つに取り組む内容。後にデジタル・エコノミーや「半導体産業まで加わって盛り沢山になりましたが、名称は「5+2」のままです。

 彭総裁は、政策がうまく行けば、中国本土とICTへの依存から脱却し、新たな輸出の原動力になるとみています。

 「5+2」政策に対し、ファウンドリー(半導体の受託製造企業)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)トップの張忠謀董事長が23日、「政府は電力などインフラ整備をしっかりやるべき。産業を指導するな」と批判しています。

中国新歌声 台北市の台湾大学の運動場を借り24日午後行われた中国本土系の音楽イベント「中国の新しい歌声・上海台北音楽祭」が、学生300~400人の抗議活動の結果、途中で中止に追い込まれる騒ぎが起きました。24日付聯合報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)
 
 音楽イベントは、中国本土のテレビ局の人気歌謡オーデション番組「中国の新しい歌声」の関連企画で、蘋果日報によると番組出身の中国の歌手らが多数参加し、台湾大学の運動場に特設されたステージで行われる予定でした。

 ところが、多数の学生が運動場付近で抗議活動を開始。「運動場を返せ」「統戦(中台統一工作)は学園から出て行け」、「われわれは台湾人だ。中国と台湾はそれぞれ別の国だ」などとスローガンを叫び強く反発しました。

 抗議活動を主催した学生は「イベントの工事のため、運動場にひびが入り使えなくなった。しかも、1週間も閉鎖されるので体育の授業ができない」と反対する理由を説明しました。

 抗議の学生が、ステージに物を投げるなどしたため、主催者が同日夕、イベントの中止を宣言しました。

柯文哲強敵 与党・民進党各派閥のの立法委員(国会議員)約40人がこのほど連名で、来年の台北市長選挙で独自候補を擁立するよう党中央に要求しました。ニュースメディアの上報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 同党内の個別の立法委員でなく、集団で柯文哲・台北市長へ反旗を翻したのは初めて。世論調査で高い支持率を誇る柯市長が、2020年の総統選挙で強敵になる恐れが出てきたことに、民進党が恐れを抱き始めたようです。

ユニバーシアードで支持率急騰

 柯市長は約2年半前、無党派で立候補し、若者層とやや国民党寄りの選挙民の支持を得て当選しました。政治の素人の柯市長は行政手腕が疑問視され、世論調査では支持率の低迷に悩んだことがありましたが、その都度、逆風を跳ね返し支持率も徐々に回復しました。

 第29回ユニバーシアード夏季大会の成功後、柯市長の支持率は急上昇し、衰えを見せていません。来年の台北市長選の際は今の支持率を維持しそうで、台湾政界で最も注目される人物になりました。

しがらみも徒党もないのが強み

 柯市長は、しがらみを感じさせず、市民に直接語りかける姿勢が好感され、時に親中国的な発言や失言をしても支持者から大目にみてもらってきました。

 一匹狼で党派をつくれず、過去2年半で19人の市政スタッフが辞職したことが問題視されることもありますが、本人は意に介していません。例え選挙に負けても1人の市民に戻るだけのこと。徒党を組まないことは柯市長の強みですらあります。

 民進党の多数が攻撃し始めたのは、国民党の支持率がちっとも上昇しない今、柯市長が強敵として浮上したためです。ただ、上報は、柯文哲氏が台北市長に落選すれば、2020年の総統選に立候補する理由を与えてしまうと警告しています。24年の総統選挙でも手強い相手となりそうです。

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