井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2017年09月

中国新歌声 台北市の台湾大学の運動場を借り24日午後行われた中国本土系の音楽イベント「中国の新しい歌声・上海台北音楽祭」が、学生300~400人の抗議活動の結果、途中で中止に追い込まれる騒ぎが起きました。24日付聯合報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)
 
 音楽イベントは、中国本土のテレビ局の人気歌謡オーデション番組「中国の新しい歌声」の関連企画で、蘋果日報によると番組出身の中国の歌手らが多数参加し、台湾大学の運動場に特設されたステージで行われる予定でした。

 ところが、多数の学生が運動場付近で抗議活動を開始。「運動場を返せ」「統戦(中台統一工作)は学園から出て行け」、「われわれは台湾人だ。中国と台湾はそれぞれ別の国だ」などとスローガンを叫び強く反発しました。

 抗議活動を主催した学生は「イベントの工事のため、運動場にひびが入り使えなくなった。しかも、1週間も閉鎖されるので体育の授業ができない」と反対する理由を説明しました。

 抗議の学生が、ステージに物を投げるなどしたため、主催者が同日夕、イベントの中止を宣言しました。

柯文哲強敵 与党・民進党各派閥のの立法委員(国会議員)約40人がこのほど連名で、来年の台北市長選挙で独自候補を擁立するよう党中央に要求しました。ニュースメディアの上報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 同党内の個別の立法委員でなく、集団で柯文哲・台北市長へ反旗を翻したのは初めて。世論調査で高い支持率を誇る柯市長が、2020年の総統選挙で強敵になる恐れが出てきたことに、民進党が恐れを抱き始めたようです。

ユニバーシアードで支持率急騰

 柯市長は約2年半前、無党派で立候補し、若者層とやや国民党寄りの選挙民の支持を得て当選しました。政治の素人の柯市長は行政手腕が疑問視され、世論調査では支持率の低迷に悩んだことがありましたが、その都度、逆風を跳ね返し支持率も徐々に回復しました。

 第29回ユニバーシアード夏季大会の成功後、柯市長の支持率は急上昇し、衰えを見せていません。来年の台北市長選の際は今の支持率を維持しそうで、台湾政界で最も注目される人物になりました。

しがらみも徒党もないのが強み

 柯市長は、しがらみを感じさせず、市民に直接語りかける姿勢が好感され、時に親中国的な発言や失言をしても支持者から大目にみてもらってきました。

 一匹狼で党派をつくれず、過去2年半で19人の市政スタッフが辞職したことが問題視されることもありますが、本人は意に介していません。例え選挙に負けても1人の市民に戻るだけのこと。徒党を組まないことは柯市長の強みですらあります。

 民進党の多数が攻撃し始めたのは、国民党の支持率がちっとも上昇しない今、柯市長が強敵として浮上したためです。ただ、上報は、柯文哲氏が台北市長に落選すれば、2020年の総統選に立候補する理由を与えてしまうと警告しています。24年の総統選挙でも手強い相手となりそうです。

国防総省次官補 16日付聯合報によると、米国防総省のデビィッド・ヘルビー(David Helvey)アジア・太平洋担当国防次官補代理らが14日、米首都ワシントンのシンクタンク「グローバル台湾研究所」で講演し、徴兵制から志願兵制への移行を念頭に、台湾軍に対しマンパワーの点検をしっかり行うとともに、人材のリクルートに力を入れるよう提言しました。今後のマンパワーの低下に懸念を示したと言えそうです。(写真は聯合報のキャプチャー)

 ヘルビー氏が示したマンパワーの点検の中身とは、現役と予備役軍人のバランス、予備役軍人の役割の再考、予備役軍人と社会との関係について目配りなどです。予備役を充実させて、いざという時、下級士官を中心に即座に動員できる態勢を整えよということかと思います。

 ウォレス・グレグソン前国防次官補も講演し、台湾軍が志願兵制へ変更しようとする中、若者に対し軍人になることの利点について正確な情報提供が行われていないと指摘しました。リクルートに熱心に取り組むよう提言したものと言えそうです。

 米軍では退役軍人に対し、失業保険の給付、高等教育や職業訓練向けの補助金など手厚い福利厚生制度があるそうです。グレイソン前次官補は、台湾でも若者の軍隊への参加を促すため同様の制度が考えられると述べました。

台湾軍の機密保持能力に疑義

 ヘルビー氏はまた、米台の防衛協力の強化にとって、台湾側の秘密保持が課題だと指摘しました。ベルビー氏は、台湾と米軍需産業間で緊密な連係が必要と述べましたが、そのためには台湾側の秘密保持が前提になると指摘しました。

宋楚瑜 11月にベトナムのダナンで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に、野党・親民党主席を務めるベテラン政治家、宋楚瑜氏(75)が蔡英文総統の特使と派遣されるとみられることが分かりました。16日付聯合報が伝えました。(写真は風伝媒のキャプチャー)

 与党・民進党と距離を置き、中国本土ともパイプを持つ宋氏を派遣することで、APECの場を借りて中台関係の改善を模索する目的があるとみられます。

 ニュースサイト、風伝媒によると、蔡総統は今年8月に宋氏に合い特使を依頼したということです。宋氏は、現在の中台対立の情勢を考え、今のところ改善の余地は小さいとして特使になることをためらいましたが、蔡総統のじきじきの依頼を受け「国家社会と中台関係の安定」に役立つならばと、引き受けたそうです。

 親民党筋によると、中国は中台関係の現状に不満ながら、宋氏の出席に反対しない考えとのことです。聯合報によると、与党内では宋氏が特使として適任と賛成の声が多いものの、台湾独立派は難色を示しています。

公務員賃上げ 就任直後の頼清徳行政院長(首相)は12日、軍人・公務員・教員の3%賃金引き上げを指示しました。最大野党・国民党からは、前行政院長の決定を翻したのは2018年に行われる6大都市と県知事・市長選挙を意識したためだとの批判が出ています。中国時報が12日伝えました。(写真は自由時報のキャプチャー)

 国民党の広報責任者、文化伝播委員会の李明賢主任委員は「賃金引き上げは、頼清徳氏から公務員に贈られた好意だ。年金改革への公務員の反発を和らげようとの意図がある」と述べました。

 李主任委員によると、公務員の来年の賃上げは林全・前行政院長が見送りを決めたばかり。李主任委員は、頼行政院長の政策変更は林・前院長の顔を潰すもだと述べました。

経済界は歓迎、5%にせよとの声も

 12日付自由時報によると、経済界は歓迎。経済団体、工商協進会の林伯豊理事長は3%では低過ぎるとして、5%の引き上げを呼びかけました。林理事長も、民間企業も公務員に続くべきだ述べ、自身が経営する台湾玻璃工業(台玻)でも賃上げを行う考えを示しました。

 最大の経済団体、全国商業総会(商総)の頼正鎰理事長も3%の賃上げはもっと早くに行うべきだったと指摘。「政府が音頭を取らないと、賃上げの連鎖が起きない。3%は小さすぎ5%にするべきだ」と話しています。

 選挙を意識した賃上げというのは、政治家なんだから当たり前。就任するなりスパッと賃上げを決めるあたり、決断力があると思います。特に経済界の歓迎ぶりをみると、選挙だけでなく、経済的にも的を得ているのではないでしょうか。

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