井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2017年11月

 2017年11月30日大気汚染台湾全土で深刻な大気汚染が起きています。行政院環境保護署は30日、南投県竹山鎮、雲嘉南(雲林県・嘉義県・台南市)地区に大気汚染で6段階で4番目のオレンジ警報、台南市と高屏地区(高雄市・屏東県)に3番目の赤色警報を発令しました。赤色警報の地区では、屋外での活動を控えるよう呼び掛けています。(写真は聯合報のキャプチャー)

 聯合報によると、中興大の荘秉潔教授はフェイスブックで「非常に典型的な国内型の汚染だ」と書き込みました。荘教授によると11月29日にフェーン現象で気温が上がり、エアコンの利用が増加。火力発電所がフル稼働したため、汚染が深刻化したとのことです。

高気圧と風向きで汚染物質滞留

 荘教授によると、中国から張り出した高気圧により東風が強まる影響などで、中央山脈西側で大気汚染物質が滞留し、拡散しにくくなっています。

 今後、高気圧が東に移動すると南東風が強まり、中南部の汚染物質が北部に移動します。しかし、高気圧が台湾を離れると、今度は北東風が吹いて北部の汚染物質が高屏地区に向かうそうです。

 台湾は中国からも大気汚染物質が流入しており、内憂外患といったところです。

2017年11月28日掃海艇 台湾海軍から掃海艇6隻の建造を受注後、経営危機に陥っている台湾・高雄の造船メーカーの慶富造船に関し、台湾海軍司令部計画署長の陳道興少将(写真。聯合報のキャプチャー)は28日、国防部で会見し、先払いした建造費用の一部、7億2000万台湾元(約27億円)没収したと述べました。聯合報が28日伝えました。

 陳少将によると、海軍の専門チームが第一銀行高雄支店に赴き没収手続きを行いました。慶富造船10日以内に没収分を準備しなければ、建造を解約になります。解約はほぼ確実です。

 慶富造船に貸付を行っている銀行団は、海軍への返金分について、保証の見送りを検討していましたが、第一銀行、台湾銀行を皮切りに保証を行うことを決めました。

 掃海艇は、船体をイタリア企業、戦闘システムは米国企業にそれぞれ慶富造船が再発注していますが、米国企業は期限内に代金を払わなければ解約すると通知しています。

 中国は有事の際、台湾周辺に機雷を敷設して海上封鎖を行う可能性があり、掃海艇は台湾にとり極めて重要な装備。今度こそきちんとした企業に発注してもらいたいものです

2017年11月21日エネルギー 台湾の原子力発電について、馬英九政権時代の段階的な廃止政策「穏健減核」よりも、蔡英文政権の脱原発政策「非核の家」の方が二酸化炭素排出量は少ないとのシミュレーション結果を、台湾大リスクセンターの研究チームが発表しました。風伝媒が21日伝えました。

 馬英九・前政権は、建設中の第4原発を稼働する代わり、運転中の第1~第3原発の延命をせず、その間に再生可能エネルギーを含め原子力発電代替の電源を探すというものでした。現在の蔡英文政権は第4原発は稼働は見送り、第1~第3原発も延命せず、別の電源への切替を急ぐ「非核の家」政策です。
 
 台湾で二酸化炭素など温室効果ガスの主な発生源は発電所です。「非核の家」政策は、再生可能エネルギーの発電量を増やす一方、火力発電は石炭から天然ガスへの転換を急いでいます。

 一部からは、原発廃止の過渡期に二酸化炭素と大気汚染物質の排出が増え、2014年に定めた温室効果ガスの削減目標が達成できないとの批判が出ています。

 台湾大チームによると、2025年の段階で馬政権の「穏健減核」の方が「非核の家」よりも、二酸化炭素排出量が最大で0.2億トンも増えるとのシミュレーション結果が出ました。

前政権は原発と石炭火力を重視


 シミュレーションを行った、台湾大の趙家緯研究員によると、「穏健減核」と「非核の家」の差は、前政権が原発と石炭火力発電を重視し、再生可能エネルギーと天然ガスの割合が低いことが原因とみられます。

 趙研究員は「原子力発電所がある限り、天然ガスを積極的に使う気にならない」と話しています。

 筆者は、前政権が原発と石炭火力を重視したのは、コストの問題があると思います。コストを考慮しないエネルギー政策は長続きしないので、シミュレーション前提が崩れてしまうような気がします。

2017年11月15日国鉄 JR東日本が寄贈した世界初の寝台電車「583系」の車両2両が14日夜、鉄道博物館として整備が進む台北市信義区の「台北機廠組立工場」跡に到着しました。深夜にもかかわらず熱心な鉄道ファン約30人が出迎えました。新頭穀が15日伝えました。(写真は新頭穀のキャプチャー)

 583系電車は、電車タイプの寝台列車として世界で最も早く開発されされ、鉄道ファンにとり垂涎の的。一部のファンが到着の模様をネットで中継し、惜しくも現場に来られなかった愛好家が、パソコンやスマホの画面を通じて見守ったということです。

 583系電車は、1967~68年に当時の国鉄が導入し、2017年4月に全部が引退しました。昼間は椅子の一般列車として使え、夜には寝台車に早変わりします。導入当時は最新式の電車でした。

 JR東日本は今年8月、583系電車の台湾への寄贈を決め、台湾の鄭麗君文化相も出席して、埼玉県さいたま市の鉄道博物館で贈呈式が行われました。

 「台北機廠組立工場」は、台湾鉄路管理局(台鉄)の旧車両工場。日本統治時代の1935年(昭和10年)に建設され、現在も当時の建物がそのまま残り「工業遺跡」に指定されています。
 工場の敷地一帯は「台北機廠国家鉄道博物館園区」として文化部が管理。遺構の修復が段階的に進められており、将来は鉄道博物館を開設する予定です。同園区は、事前に申し込めば市民も見学できます。

「台北機廠組立工場」内でコンサート

 文化部は17日、「台北機廠組立工場」跡で台湾国立交響楽団のコンサートを開催します。「工業遺跡」内でのコンサートは初めて。南投県と台北市の小学生と教員約100人が招かれました。鉄道博物館と文化財の修復事業に対する市民の理解を深めるのが目的だということです。

2017年11月13日ミラージュ 夜勤などきつい労働のせいで、国有鉄道会社の台湾鉄路管理局(台鉄)では人手不足が慢性化しています。労組の台鉄企業工会による運動で、行政院(内閣)は今年9月、2860人の増員を一旦認めましたが、実施までには時間が掛かりそうです。上報が11日伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 統計によると、今年の台鉄の職員は1万1767人で、5年前の2012年に比べ591人減りました。この5年間に、就職から5年内に辞めた職員が600人、3年内も425人に上りました。新入社員には特に不人気の職場と言えそうです。

 新入社員の不人気は採用試験からも明らかで、2012年~16年5360人が合格者4453人のうち、入社は8割ほど。上級職を目指して受験した現役職員を除くと、本当の新人の採用は3778人でした。

 台鉄が退職した新人を対象に調べたところ、夜勤、日勤など交代制の勤務スタイルに馴染めなかったことや、配属された勤務地が余りに遠かったことなどを退職の理由に挙げたそうです。

 台鉄の労組幹部も「交代制の勤務体制や、長時間の労働、昼夜が逆転した生活のため、睡眠や社交の時間が奪われている。誰もとどまりたがらない」と話しています。

順法闘争などで増員要求

 台鉄企業工会は今年、職員1000人が一斉に有休休暇を取る「順法闘争」で増員を要求。台鉄当局もも2860人の採用を交通部に求めました。行政院は増員要求を認め、第一弾としてとして1920人の補充を先行することを決めました。

 ところが、休暇・休日に関する労働基本法の改正騒動で、当面実施の見通しが立たなくなってしまいました。台鉄局によると現場では人繰りが厳しくなっているとのこと。安全運行だけはしっかりお願いしたいところです。

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