イノウエのたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

2018年06月

 今年七月十五日に予定される台湾与党、民進党の執行部である中央執行委員(中執委)・中央評議委員(中評委)の改選は、期限の六月十五日までに届け出た候補者数が議席数と同じ四十一で、同党の史上初めて無競争となることが決まった。同党関係者は、今年末の統一地方選挙を前に党の団結を優先したと説明している。


 総統府秘書長に就任した同党の重鎮、陳菊・元高雄市長が、周到な根回しで候補者を事前調整した。二年前の改選時、中執委の選挙で選ばれる最高執行部の中央常務委員(中常委)十人のうち最大派閥の新潮流派が三人を占め、中評委主任委員のポストも手に入れた。元行政院長の謝長廷氏(現・台北駐日経済文化代表処駐日代表)が率いる派閥は、中常委メンバーが史上初のゼロとなり、党内にしこりを残した。今回は陳秘書長と党秘書長洪耀福氏のあっせんで、新潮流派が中常委のポスト一つを投げ出すことに同意、各派閥が矛を納めた。


 陳菊氏は、党内の求心力低下に悩む蔡英文総統から三顧の礼で秘書長就任を請われ、格下ポストへの就任を周囲から強く反対されたが、押し切って就任した。陳氏の手腕は、蔡総統の期待通りといえそうだ。


ただ、同党史上初の無風選挙には批判も出ている。病気療養のため仮釈放中の陳水扁元総統はフェイスブックで、事実上、選挙権が奪われる上、選挙の透明性も残っているとして「民主主義の大後退」と強く批判した。


 陳元総統によれば、統一地方選挙で民進党の敗北はほぼ確実。「党内安定」を理由に異論を封じ、党主席・蔡英文総統の責任論を回避するための布石だと断じた。


 2018年6月7日蔡NGO「台湾守護民主平台」がこのほど発表した世論調査の結果によると、発足から2年目の蔡英文政権の実績について、与党・民進党の支持者の50%が「満足していない」と答えました。

 「満足している」は46.8%で、民進党支持者で「不満」が「満足」を上回ったのは初めてだそうです。(写真は上報のキャプチャー)

 国民党支持者だと「満足していない」が97.6%、民進党と同じく台湾独立志向の緑派の野党、時代力量の支持者も78.4%が不満を表明しました。無党派層でも不満足の割合は87.4%に達しました。

 蔡政権への不満は、党派を超えて広がっています。市民の切実な要望に応えていないことが要因とみられます。

少子高齢化対策に不満

 最大の不満の1つは、介護など高齢化対策と、保育や幼児教育など少子化対策が不十分なことで、8割が不満を感じています。

 また、やはり8割もの回答者が、総統に立法院(国会)での報告を義務付ける憲法改正を求めていますが、実現していません。

対中政策には諦めムード

 焦点の対中政策では、蔡政権が否定する「92コンセンサス」に対し、反対する回答者が減少しています。

 「92コンセンサス」は、1992年「1つの中国原則」に関し中台が口頭で達成したとされるもの。

 支持政党別では、対中統一派の新党支持者は100%、国民党支持者の84.9%が賛成する一方、台湾独立志向の社民党は92.9%、時代力量は77.5%、民進党は77.4%が反対です。

 ただ、昨年の同じ調査で「92コンセンサス」受け入れ反対が56.6%だったのに、今年は46.7%に低下しました。台湾人の生命、財産の不利益を避けるため、受け入れもやむなしと考える人が増えているようです。
 
 一方で、台湾の民主体制を防衛するための努力が足りないと考える回答者も8割近く、特に20~29歳では85.4%に達しました。

 軍事だけでなく、経済、文化、教育などあらゆる面で行われる中国の浸透に、台湾の民主体制を守るための対抗が不十分と考えてます。

 蔡英文総統の対中姿勢は頼りないため、諦めムードが漂い始めたということでしょうか。

 中国に対抗する上で、「現状維持」を唱えたり、「92コンセンサス」を否定したりという消極姿勢でなく、もっと強くリーダーシップを発揮して欲しいというのが、今回の調査結果に表れた民意のようです。
 

★参考情報★
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