台湾の中国語辞典を買った。中国の「簡体字」版に慣れた目には、縦書きが新鮮だ。単語の並びも部首順で、日本の漢和辞典と同じ。中国のはABC順だ。インクの香りに、中学の時分、新しい辞書を買ってもらい喜んだのを思い出した。試しに単語を引いてみる。 【拉麺】「日本の麺料理の一種、小麦粉を細く伸ばしたもの」。そうだったか。中国甘粛・蘭州が発祥と思っていた。中学ころから進歩がないので、色気のある言葉を捜し始めた。国語辞典で【せっぷん】などを引いてみたのと同じだ。するとあった。【丁字コ】(コは衣へんに庫)。丁字は「T」の形、「コ」はパンツだ。妄想がふくらむ。 いわく「日本の相撲の選手の服装。台湾の一部民族も着用する」。中学時代との違いは老眼になったこと。「繁体字」は画数が多くて目が疲れる。2語を見たのみで放り投げた。