赤れんがの総統府前は「緑」で埋め尽くされた。緑とは野党・民主進歩党(民進党)の党旗の色で、中国からの独立志向が強い政治勢力を指す。13日午後、同党の呼び掛けで馬英九総統の下野を求めるデモと集会が行われ、雨の中、首都中枢を夜九時半まで大群衆が埋め尽くした。同党発表で最大20万人が集まった。 蘇貞昌主席ら主催者の演説も、群衆の間で飛び交うのは主に台湾語。手には緑の旗。台北は中央政府所在地だけに、中華統一を目指す「青」優勢の町。北京語が一般的で、いつも赤字に青の中華民国旗が目立つが、この日ばかりは逆転した。緑の力も侮れない。 集会の現場では、食べ物や嗜好(しこう)品の「ビンロウヤシ」の露天まで出るお祭り騒ぎ。秩序正しく進められ、警官ものんびりしていた。同日は蒋経国元総統の25回目の命日。台湾の民主化ぶりにじんときた。(井)(NNAテイクオフ、1月14日)