全く考えていません――。台湾電力の担当者に取材すると、電力の安定供給にはやはり原発が一番という。替わりの発電燃料としては天然ガスが適切だが、液化だと価格が高いし、台風が多い台湾は船が止まる恐れもある。ならば中国からパイプラインを敷設し生ガス輸入すればどうかと聞くと、けんもほろろだった。 安全保障の問題もあり考えられないという。しかし、欧州も中国もロシアなどから天然ガスを輸入している。いざという時の手段は別に考えれば良いし、これほど中国経済に依存する中、天然ガスの途絶だけを心配しても仕方がない気がする。 日本でもサハリン産の天然ガスを宗谷海峡経由でパイプラインで輸入しようとの提案もあるが、ほとんど実現の気配はない。理由は台湾と似たようなものだ。海外と固定設備でつながることを恐れるのは島国特有の感性なのか。(井)(NNAテイクオフ、6月27日)