2020年8月16日海ニュースメディアの風伝媒によると、中国国防省が八月十三日、台湾海峡の南北両端で多軍種合同の実弾演習を行うと発表、中国政府系紙・環球時報は台湾独立への警告だと報じたが、実際に演習が行われたのは台湾海峡から三百キロも離れた浙江省沿岸だったことが分かった。同じ時期、東シナ海で自衛隊と米軍が合同演習を行って牽制したため、中国軍は台湾海峡への接近を諦めたもようだ。(写真は風伝媒のキャプチャー)

 中国国防省が台湾海峡での実弾演習の実施を宣言したのは、アレックス・アザー米厚生長官が八月十日に台湾を訪れた直後。長官は、1979年の米台断交以降に訪台した最高位の閣僚で、中国が強く反発していた。長官の台湾滞在中、中国軍機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に侵入するなど、米台を牽制しており、実弾演習も同じ目的と見られていた。

 国防省はこの際、演習場所を発表しなかった。中国海事局がまもなく、軍の実弾演習を理由とした船舶航行の禁止海域を発表したが、台湾海峡から三百キロ以上も離れ、もはや台湾海峡北端とは言えないほど遠かった。(写真は風伝媒のキャプチャー)

 一方、米軍と自衛隊は八月に入りずっと、東シナ海での演習を続けている。米原子力空母「ロナルド・レーガン」と戦略爆撃機B1Bランサー、航空自衛隊の戦闘機F2八機、F15戦闘機六機が傘下した。場所は台湾と日本、韓国の中間で、中国を威嚇する意図は明らかだった。

 米ニューズウィーク誌によれば、中国軍の実弾演習はアザー長官の訪台だけでなく、米軍が最近、台湾付近での活動を活発化させていいることに応じたもの。中国軍東部戦区の報道官は十三日、「台湾海峡での演習は、現在の安全保障情勢に対し必要な行動だ」と述べた。

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