国旗降納 中米パナマが台湾との国交を断絶したことについて、ニュースサイト上報は、台湾は「統一される」か「独立」かの選択を迫られているとする、国際関係評論家、杜心武氏の評論を掲載しました。(写真は上報のキャプチャー)

 やや脇道にそれますが、評論によると、中米という「米国の裏庭」で中国がパナマを買収、台湾と断交させたのは、トランプ米大統領の国務省軽視のせいとのこと。国務省は予算を大幅に減らされ、人員の補充もない状態。中国によるパナマ買収の動きを事前に察知したものの、交渉力不足で阻止できなかったそうです。

 なお、中国による台湾への圧力は、今後も強まることが予想されます。短期的には中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)を控えた習近平国家主席が、蔡英文政権を屈服させて、成果を誇りたいという動機があります。この時期をやりすごしても、中国は経済、軍事面での圧力を強めることは確実とみられます。

 評論によると、台湾は「統一される」か「独立」かの結論を、習近平氏が在任中の今後5~10年にはっきり出すことを余儀なくされそうです。「現状維持」や「引き伸ばし」は既に難しくなりつつあります。台湾は長期的な政治目標をはっきり決める必要に迫られています。

 一方、「1つの中国」で合意したとされる「92コンセンサス」を蔡英文政権が承認することは、もはや中国統一を意味するため慎重な対応が必要となります。中台の国力がこれだけ拡大してしまうと、1992年の「92コンセンサス」にある「それぞれが1つの中国を代表する」の余地はもはやないそうです。

 しかし「独立」に舵を切ると犠牲を覚悟しなければなりません。中国の全面攻撃を受ける可能性があるためです。中国北京市で1989年に起きた民主化を求める学生運動で、リーダーだった王丹さんは台湾を離れる前の講演で「戦いを恐れないことが平和と安全の条件だ」と語り、流血を避ける独立論は空論だと厳しく指摘したそうです。

 評論が言うように「現状維持」が難しく二者択一を迫られるなら、もう台湾の統一は避けられないでしょう。「独立」というイデオロギーのため、台湾人が中国との戦争を覚悟するとは到底思えません。

 イスラエルのように、戦争は覚悟して強力に武装し、独立は維持しつつ中国には手を出させないという手もあります。その場合、相当の覚悟と智慧が必要ですけど、そこまでして中国に対抗する動機もないように思えるのです。