22020年10月17日F 中国軍機による台湾海峡中間線無視が常態化し、中台の空中の緊張が激化する中、レーダーで補足できない最新鋭のステルス戦闘機は、中国側が続々投入しているのに対し、台湾側にほとんどなく、軍事バランスの不均衡が顕わになっている。(写真は風伝媒のキャプチャー)

 そんな中、ステファン・ブライアン元国防次官が、米誌ニューズ・ウィークに、F35戦闘機を台湾に貸与する案を寄せ、内外の注目を集めた。

 台湾海峡中間線は、一九九六年の台湾総統選の際、中国軍が台湾付近にミサイルを発射して、中台の緊張が極度に高まったことを受けて、両軍が暗黙のルールとして定めた。ところが中国軍は九月ごろから公然と無視し、戦闘機などが相次ぎ飛来している。

 中国側では、ロシアから技術導入した第四・五世代戦闘機のSu27、自主開発で第五世代戦闘機の「殲20」など最新鋭ステルス機を相次ぎ配備している。対する台湾側にあるのは、ステルス性がない旧式のF16戦闘機だけ。米国が売却を決めた最新鋭のF16V六十六機の引き渡しは二〇二六年で、台湾軍はそれまでの空白期をどうするかで焦りを深めている。

 ブライアン元国防次官は、中国が台湾を虎視眈々と狙う中、米国は台湾に対し一歩踏み込んだ支援を行うべきだと指摘し、F35の貸与に踏み切るよう呼びかけた。

 元次官によれば、米側もF35の貸与を検討していたが、台湾軍人が最先端の戦闘機を操縦できるか疑問であることと、中国への配慮のため、なかなか踏み切れずにいるという。

 元次官は、操縦の問題は、台湾空軍のパイロットを米国で訓練すれば簡単に解決すると指摘。中国への配慮も、要は米国側の勇気を持てば克服できるとした。

 また、台湾軍人を米国で訓練すれば、中国のスパイを遠ざけられる利点もある。そして、台湾貸与用のF35を米国内に配置しておけば、台湾が中国の攻撃を受けても無傷で温存でき、有力な反撃の手段になるとした。