中国スパイ事件 台湾軍ミサイル部隊の元指揮官、謝嘉康少将が中国に情報提供していた疑惑が浮上したことに米政府が激怒しているもようです。台湾陸軍は6月中旬、軍の通信システム更新に関する交渉の打ち切りを米側から突然通告されました。(写真は上報のキャプチャー)

 ニュースサイトの上報によると、米側の通告は「一時停止」ではなく、相当深刻な「打ち切り」となっており、台湾側を慌てさせています。台湾国防部は情報機関を通じ、今回の通告が米トランプ政権による台湾への武器売却の方針を象徴するものかどうか、確認を急いでいます。

 謝少将は台湾陸軍の馬祖防衛部隊の副指揮官在任中、中国側の人物と海外で接触していた疑いが強まり、台湾国防部が5月9日、法務部調査局と合同で捜査に着手しました。謝少将は10万元(約165万円)で保釈されました。

 謝少将は、ミサイル部隊が空軍に移管される前の指揮官で、地対空ミサイルのパトリオット3型や天弓3型、上海、北京を攻撃できる巡航ミサイル「雄二E型」に関する機密情報を掌握していました。中国と内通していたのが事実なら、台湾の国防に大きな損害を与えることになります。

 事件発覚後、窓口機関、米国在台湾協会(AIT)の米軍情報部門が直ちに台湾国防部に詳細を問い合わせて来たそうです。パトリオット3型ミサイルは米国と同盟国のの現役兵器で、中国に機密情報が漏れた場合、プログラムの書き換えなどが必要になるからです。

 ただ、台湾国防部は詳しい内容を把握しておらず、米側を慌てさせたそうです。米側の交渉打ち切りを通告は、台湾側の対応に対する強い不満を示しているとみられます。台湾国防部は、米側との亀裂拡大を防ごうと必死に説得しているとのことです。