呉敦義氏 台湾最大野党、国民党の新主席に8月20日就任する呉敦義氏の強い要望に応え、中国共産党の習近平総書記との会談が年内にも実現する可能性が出てきました。ただ、中国側は中台関係について呉敦義氏がはっきりと態度を表明することを条件としています。ニュースサイトの上報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)
 
 呉敦義氏は、国民党主席選挙の期間中、微妙な政治問題である中台関係に余り触れず、あいまいな発言を続けていました。しかし、当選後、中台関係について学会や党内担当者から積極的に意見を聞き、中国との人脈づくりのため、中国でビジネスする有力財界人とも接触したとのことです。

 また、習主席とのトップ会談を目指し、党内有力者に中国側の考えを探らせていました。中国側は呉氏の当選後、習近平総書記との会談の条件として、中台関係について旗幟鮮明にすることを条件として求めてきたということです。

 具体的には▽「92コンセンサス」を改めて確認する際、「一中各表」(「1つの中国」の解釈は中台それぞれが行う)を強調しないこと▽国民党主席に就任前、考え方と政策を明確に説明することーーを挙げたとのことです。

 中国は中台関係について呉敦義氏の態度に疑念を持っています。呉氏がこれまでのあいまいな態度を一掃し、中国の信頼を勝ち取れば11月下旬、習近平総書記との会談が実現する可能性があるということです。

 92コンセンサスは、台湾と中国本土が1992年、「1つの中国原則」に関し口頭で達成したとされる合意で、「一中各表」で一致したとされています。蔡英文総統は、合意文書がないことなどを理由に、92コンセンサスが存在しないと主張しています。