民進党権力闘争 石油元売大手、台湾中油(CPC)の陳金徳郭董事長が18日、台湾17県・市で8月15日に起きた大停電の責任をとって辞職を表明しました。これは、大停電をきっかけに、与党・民進党内の権力闘争が激化していることの表れだそうです。ネットメディアンの新頭殻が伝えました。

 15日の大停電は、台湾桃園市の桃園大潭火力発電所で、CPCの操作ミスで燃料の天然ガス供給が中断したことがきっかけに起きました。単純なミスですが、権力闘争を背景に、早くから董事長の進退に注目が集まっていました。

 陳董事長は、民進党内最大派閥の新潮流派の幹部です。新潮流派に反発する民進党内の各派閥が、大停電をきっかけに攻勢に出て辞職に向けて圧力を掛けたため、陳董事長が抗し切れなくなったそうです。

 陳董事長は、高雄市の元副市長で陳菊市長の腹心。陳市長は新潮流派の草創期以来の長老で、陳董事長は身代わりに首を差し出したとみられています。

◆次期高雄市長の座巡り争い

 新頭殻によると、陳市長は来年にも11年務めた高雄市長を辞め、中央政界に転出するとのうわさが出ています。台湾第2の都市、高雄市の市長の座を目指して、党内各派閥が激しい争いを始めているようです。

 ネット上には、反新潮流派とみられるユーザーが、陳菊市長の絶大な権力を風刺する画像入り記事を掲載。高雄市の副市長らの歴代の幹部が、現在は中央政府の閣僚や高級官僚に収まっていることを列挙し、背後に陳菊市長の顔写真を貼り付けています。CPCなど元国営で政府の影響が強い企業も含まれています。

 記事には「怒らせてはいけない大官たち」、「今日の高雄は明日の台湾」の文言が大書され、陳市長の隠然たる大権力をやゆしています。