彭淮南中央銀行の彭淮南総裁はこのほど、監事会に報告書を提出した際、台湾経済が中国本土と情報通信技術(ICT)産業に依存し過ぎていることが輸出の伸び悩みにつながっているとして懸念を示しました。聯合報が24日伝えました。(写真は聯合報のキャプチャー)

 彭総裁によると、台湾が中国本土とICT産業に過度に依存しているため、輸出が中国のサプライチェーン、米中貿易紛争などから影響を受けやすくなっています。

 彭総裁はこの観点から、頼清徳・行政院長(首相)が9月22日、立法院(議会)に行った初の施政方針演説で実行を約束した「5+2」産業育政策を支持しました。

 「5+2」政策は林全・前内閣が始めたもので、モノのインターネット(IoT)、バイオ医学、グリーンエネルギー、スマート機械、国防産業の5産業の育成と高付加価値型農業とリサイクル経済振興の2つに取り組む内容。後にデジタル・エコノミーや「半導体産業まで加わって盛り沢山になりましたが、名称は「5+2」のままです。

 彭総裁は、政策がうまく行けば、中国本土とICTへの依存から脱却し、新たな輸出の原動力になるとみています。

 「5+2」政策に対し、ファウンドリー(半導体の受託製造企業)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)トップの張忠謀董事長が23日、「政府は電力などインフラ整備をしっかりやるべき。産業を指導するな」と批判しています。