MRT飲食 台北市のMRT(地下鉄・高架電車)運営会社、台北捷運公司はこのほど、これまで厳禁だった飲食について、32駅構内の改札外では許可する規則の緩和を行いました。ただし、同社の担当者は「緩和したのではない。飲食禁止の範囲を変えただけ」と説明しています。勘違いで、飲食が広がるのを恐れているのかも知れません。

 中国、香港、台湾などの大中華圏では、公共交通内の飲食をめぐり、禁止すべきかどうかの論争がしばしばが起きていると、英BBC放送中国語版が伝えています。(写真はBBC中国語版の画面キャプチャー)

 台北MRTが飲食禁止規則を緩和したとのニュースは、台湾各メディアが報じ、関心の高さを伺わせました。台北捷運公司はBBCに対し「規則の緩和はしていない。改札区域の黄色い飲食禁止ラインの外側について、32駅が規則を改めただけ」と話しています。

 台湾MRTの飲食禁止は厳格で「台湾捷運法」によると、台湾のどの都市でもMRTの車内・駅構内で飲食すると最高で7500台湾元(2万8000円)の罰金を科されます。ただ「公共場所母乳哺育条例」により、車内・駅構内とも乳児への授乳は認められ、むしろ邪魔すると罰せられます。

 同様に地下鉄車内での飲食を禁止している香港、シンガポールでは、授乳は認めていません。ただ、駅係員に連絡すれば、適切な場所で授乳ができるそうです。

香港では「悪口雑言」、シンガポールではドリアン禁止
 
 中華圏の公共交通ではユニークな規則が散見され、香港の地下鉄(MTR)は「不快感を与える悪口雑言やひわいな言葉」が禁止され違反者は最高5000香港ドル(約7万2000円)の罰金。他の公共の場所にも同じような規則があるそうで、ひどい場合は収監されます。

 シンガポールMRT(SMRT)は飲食のほか、喫煙、可燃物と果物のドリアンの持ち込みが禁止です。車内のラベルなどには飲食、喫煙、可燃物と異なりドリアンには罰金の額が明記されていませんが、違反すれば罰金を科されることがあります。