半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長はこのほど、ブルームバーグのインタビューに答え「台湾はやはりわれわれの根拠地だ。中国にない良さもある」と述べました。風伝媒が伝えました。(写真は風伝媒のキャプチャー)
張董事長は先に、最先端の回路線幅3ナノメートルの半導体工場の米国移転を示唆し、台湾政府を慌てさせました。「五欠」(水、電気、用地、人手、人材の不足)と呼ばれる台湾の投資環境の悪さを嫌ったとされています。
張董事長は、今回のインタビューでは台湾を持ち上げており「TSMCは新竹、台中、台南に3拠点あり規模が大きい。互いの距離が近く工員やエンジニアの移動が便利だ。南京など中国の都市ではこのような利点はない」と話しています。
TSMCは先に、江蘇省南京市に12インチウェハー工場を建設すると発表しました。2018年下半期には16ナノメートル製造プロセスの生産ラインが稼働する予定です。
中国の半導体業界では40ナノメートル製造プロセスが主流とのこと。張董事長は「南京工場は中国最先端の工場となる。中国では外資系を含め、われわれには追いつけない」と述べました。
張董事長は先に18年6月の引退を表明しました。