2017年10月15日湖北事故 湖北省宜昌市の景勝地「三峡風景区」で15日午前9時45分ごろ落石事故があり、遊歩道を歩いていた台湾のツアー客3人が死亡2人が重傷を負いました。3人は映画館・劇場の業界団体「台湾省戯院公会」のメンバーで著名映画業界人でした。聯合報が15日伝えました。〈写真は中国時報のキャプチャー)

 死亡した3人は、高雄市の劇場・映画館「高雄三多戯院」董事長の王雪紅(55)、映画館チェーン「国賓影城」のマーケティング責任者、葛世強(54)、ベテラン配給業者の李志強(49)の3氏です。

 うち葛世強はかつて20世紀フォックス(当時)の配給部門の責任者で、1990年代に「スピード」、「エイジ・オブ・イノセンス」、「日の名残り」などの米ハリウッド映画の台湾上映を決断し大ヒットさせました。

 葛氏は美声の持ち主で、長らくラジオ局の番組でパーソナリティを務めました。また、フェイブックではグルメの話題を多く掲載して人気を呼んでいました。

 王氏は、高雄市の地方劇の劇場が発祥の三多戯院の二代目経営者。李氏は、台湾中南部の映画館に対し配給業をしていました。大小の事務を嫌がらずにこなし、業界の信任が厚かったそうです。

 台湾の映画界では3人に対する哀悼の言葉が、ネットのSNSなどに次々とアップされています。

 15日付中国時報によると、ツアーは台湾の東晟旅行社が主催し、死傷した5人を含む43人が旅行していました。ツアー客は全員業界団体のメンバーでした。けが人は現地の病院で治療を受けており、無事だった残り38人は10月19日、台湾に戻ります。

現場では10月から豪雨と水害

 中国新聞社によると、湖北省では10月初めから豪雨と水害が続き279万5900人が被災しています。5人が遭難した宜昌市は豪雨と水害の被災地でした。