井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

カテゴリ: 経済

2018年1月16日 中国人観光客の激減で逆境にある台湾観光業の中で、若者に人気の台北「西門町」は訪れる観光客が増え続け、一人勝ちになっています。もともとツアー客頼みでない上、東南アジアを重視する政府の「新南向政策」で、タイやベトナム客が増えていることも賑わいの源となっています。蘋果日報が伝えました。(写真は蘋果日報のキャプチャー)

 西門町の商店会「西門徒歩区街区発展促進会」によると、昨年、西門町を訪れた客は毎月平均260万7000人で、前年の257万2000人を上回りました。台湾の他の観光地が閑散とする中、西門町の人通りの多さは目立っています。

 同会によると、西門町は食事、カラオケ、映画、宿泊、街歩きなど、色々な楽しみを満たせる上、治安が良好。商店や露店は定価販売で、だましやぼったくりがほとんどないのも安心です。

 西門町は若者の文化の発信地で、タレントらによるイベントが多いことも魅力の一つ。また最近は、政府の「新南向政策」のお陰でタイ、ベトナム、タイ、フィリピン、カンボジアの客がどんどん増えているそうです。

 もともと中国のツアー客頼みでなかったことも、西門町の強さの一因のもよう。町内の飲食店主は「中国のツアー客は、半時間も観光すればバスに乗って行ってしまい、小店に寄ることもなかった。中国客が来なくても影響は小さい」と話しています。

 また、香港の観光客にとっては、物価が低いことも大きな魅力となっているそうです。

2017年12月27日賃上げ 蔡英文総統は24日、経済メディア記者との茶話会で、最低賃金を月額3万元(約11万円)に引き上げるべきだと述べました。「台湾企業には賃金引き上げの実力がある」とも話しています。風伝媒が伝えました。

 聯合報によると、行政も一枚岩ではないようで、経済部の王美花次姜は「企業が進んで応じるなら当然素晴らしいが、総統の提案は彼女の夢です」などと話しています。

 労働団体も実現に懐疑的で、全国産業総工会の戴国栄秘書長は「国家元首が夢を語っているが、どのように実現するかは話していない」などと述べました。

 行政院主計総処の11月の発表によると、被雇用者の17年の平均月収は3万7703元した。ただ、被雇用者全体の34%に当たる305万1000人の平均月収が3万元に届いていません。

 労働部は今年8月、最低賃金を18年1月から、現在の月額2万1009元から2200元に引き上げることを決めました。
 
 行政院(内閣)は先に、高齢者介護サービス従業員の賃金を3万3200元に引き上げること決めています。蔡総統は、介護サービスの賃金引き上げが他産業に波及することを期待していると述べました。

2017年11月28日掃海艇 台湾海軍から掃海艇6隻の建造を受注後、経営危機に陥っている台湾・高雄の造船メーカーの慶富造船に関し、台湾海軍司令部計画署長の陳道興少将(写真。聯合報のキャプチャー)は28日、国防部で会見し、先払いした建造費用の一部、7億2000万台湾元(約27億円)没収したと述べました。聯合報が28日伝えました。

 陳少将によると、海軍の専門チームが第一銀行高雄支店に赴き没収手続きを行いました。慶富造船10日以内に没収分を準備しなければ、建造を解約になります。解約はほぼ確実です。

 慶富造船に貸付を行っている銀行団は、海軍への返金分について、保証の見送りを検討していましたが、第一銀行、台湾銀行を皮切りに保証を行うことを決めました。

 掃海艇は、船体をイタリア企業、戦闘システムは米国企業にそれぞれ慶富造船が再発注していますが、米国企業は期限内に代金を払わなければ解約すると通知しています。

 中国は有事の際、台湾周辺に機雷を敷設して海上封鎖を行う可能性があり、掃海艇は台湾にとり極めて重要な装備。今度こそきちんとした企業に発注してもらいたいものです

2017年11月21日エネルギー 台湾の原子力発電について、馬英九政権時代の段階的な廃止政策「穏健減核」よりも、蔡英文政権の脱原発政策「非核の家」の方が二酸化炭素排出量は少ないとのシミュレーション結果を、台湾大リスクセンターの研究チームが発表しました。風伝媒が21日伝えました。

 馬英九・前政権は、建設中の第4原発を稼働する代わり、運転中の第1~第3原発の延命をせず、その間に再生可能エネルギーを含め原子力発電代替の電源を探すというものでした。現在の蔡英文政権は第4原発は稼働は見送り、第1~第3原発も延命せず、別の電源への切替を急ぐ「非核の家」政策です。
 
 台湾で二酸化炭素など温室効果ガスの主な発生源は発電所です。「非核の家」政策は、再生可能エネルギーの発電量を増やす一方、火力発電は石炭から天然ガスへの転換を急いでいます。

 一部からは、原発廃止の過渡期に二酸化炭素と大気汚染物質の排出が増え、2014年に定めた温室効果ガスの削減目標が達成できないとの批判が出ています。

 台湾大チームによると、2025年の段階で馬政権の「穏健減核」の方が「非核の家」よりも、二酸化炭素排出量が最大で0.2億トンも増えるとのシミュレーション結果が出ました。

前政権は原発と石炭火力を重視


 シミュレーションを行った、台湾大の趙家緯研究員によると、「穏健減核」と「非核の家」の差は、前政権が原発と石炭火力発電を重視し、再生可能エネルギーと天然ガスの割合が低いことが原因とみられます。

 趙研究員は「原子力発電所がある限り、天然ガスを積極的に使う気にならない」と話しています。

 筆者は、前政権が原発と石炭火力を重視したのは、コストの問題があると思います。コストを考慮しないエネルギー政策は長続きしないので、シミュレーション前提が崩れてしまうような気がします。

2017年11月13日ミラージュ 夜勤などきつい労働のせいで、国有鉄道会社の台湾鉄路管理局(台鉄)では人手不足が慢性化しています。労組の台鉄企業工会による運動で、行政院(内閣)は今年9月、2860人の増員を一旦認めましたが、実施までには時間が掛かりそうです。上報が11日伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 統計によると、今年の台鉄の職員は1万1767人で、5年前の2012年に比べ591人減りました。この5年間に、就職から5年内に辞めた職員が600人、3年内も425人に上りました。新入社員には特に不人気の職場と言えそうです。

 新入社員の不人気は採用試験からも明らかで、2012年~16年5360人が合格者4453人のうち、入社は8割ほど。上級職を目指して受験した現役職員を除くと、本当の新人の採用は3778人でした。

 台鉄が退職した新人を対象に調べたところ、夜勤、日勤など交代制の勤務スタイルに馴染めなかったことや、配属された勤務地が余りに遠かったことなどを退職の理由に挙げたそうです。

 台鉄の労組幹部も「交代制の勤務体制や、長時間の労働、昼夜が逆転した生活のため、睡眠や社交の時間が奪われている。誰もとどまりたがらない」と話しています。

順法闘争などで増員要求

 台鉄企業工会は今年、職員1000人が一斉に有休休暇を取る「順法闘争」で増員を要求。台鉄当局もも2860人の採用を交通部に求めました。行政院は増員要求を認め、第一弾としてとして1920人の補充を先行することを決めました。

 ところが、休暇・休日に関する労働基本法の改正騒動で、当面実施の見通しが立たなくなってしまいました。台鉄局によると現場では人繰りが厳しくなっているとのこと。安全運行だけはしっかりお願いしたいところです。

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