井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

カテゴリ: 経済

2017年11月13日ミラージュ 夜勤などきつい労働のせいで、国有鉄道会社の台湾鉄路管理局(台鉄)では人手不足が慢性化しています。労組の台鉄企業工会による運動で、行政院(内閣)は今年9月、2860人の増員を一旦認めましたが、実施までには時間が掛かりそうです。上報が11日伝えました。(写真は上報のキャプチャー)

 統計によると、今年の台鉄の職員は1万1767人で、5年前の2012年に比べ591人減りました。この5年間に、就職から5年内に辞めた職員が600人、3年内も425人に上りました。新入社員には特に不人気の職場と言えそうです。

 新入社員の不人気は採用試験からも明らかで、2012年~16年5360人が合格者4453人のうち、入社は8割ほど。上級職を目指して受験した現役職員を除くと、本当の新人の採用は3778人でした。

 台鉄が退職した新人を対象に調べたところ、夜勤、日勤など交代制の勤務スタイルに馴染めなかったことや、配属された勤務地が余りに遠かったことなどを退職の理由に挙げたそうです。

 台鉄の労組幹部も「交代制の勤務体制や、長時間の労働、昼夜が逆転した生活のため、睡眠や社交の時間が奪われている。誰もとどまりたがらない」と話しています。

順法闘争などで増員要求

 台鉄企業工会は今年、職員1000人が一斉に有休休暇を取る「順法闘争」で増員を要求。台鉄当局もも2860人の採用を交通部に求めました。行政院は増員要求を認め、第一弾としてとして1920人の補充を先行することを決めました。

 ところが、休暇・休日に関する労働基本法の改正騒動で、当面実施の見通しが立たなくなってしまいました。台鉄局によると現場では人繰りが厳しくなっているとのこと。安全運行だけはしっかりお願いしたいところです。

2017年11月4日労基法 労働部がこのほど発表した労働基準法改正案で、労使会議を経るか労働組合の同意があれば、現行の「毎週休暇1日、休日1日」(7休1)の規定を緩和できるようになることが分かりました。毎月の残業時間も54時間まで延長できるようになります。(写真は、立方院での労基法改正審議の模様を伝えるTVBSのサイトのキャプチャー)

 ニュースメディアの上報によると、台湾の企業約144万社のうち、労働組合があるのはわずか1%。組合がない企業向けの「労使会議」を開いたことがあるのもわずか6万6000社で、労使協議のメカニズムが機能していません。

 「7休1」制が緩和されると、休暇を別の日に移すことで、理論上は最大12日の勤務ができるようになるそうです。労基法改正は、労働状況に合わせて就労規則を柔軟に決められるようにするのが目的です。しかし、労使協議が形骸化している以上、労働基準法改正が労働条件の改悪につながるのではとの声が挙がっています。

厳し過ぎる台湾の労組結成条件

 台湾の「工会法」(労働組合法)では、労組を結成できるのは従業員30人以上の企業だけ。台湾企業の97.7%は中小企業で、平均雇用人数は7人以下で、組合結成の条件を満たしていません。
 
 専門家は「日本や韓国は従業員2人以上、香港は7人以上、中国本土でさえ25人で労組が結成できる。台湾の結成の条件は厳し過ぎ、見直す必要がある」と話しています。

 厚生労働省によると、2016年6月末現在の日本の労組組織率は17.3%でした。日本の労働者にとっても、特に中小企業の労働者にとって、労組の存在感なんてなきに等しいでしょう。労組という仕組みが、現実に全然合っていないのだと思います。

2017年11月2日掃海艇 台湾海軍から掃海艇6隻の建造を受注しながら、経営危機に陥っている台湾・高雄の造船メーカーの慶富造船に関し、行政院金融監督管理委員会(金管会)は1日、台湾の17銀行による同社への貸付額が250億元(約943億円)に上り、うち222億元(約830億円)は十分な担保差し入れがなかったことを明らかにしました。蘋果日報が2日伝えました。(写真は蘋果日報のキャプチャー)
 
 慶富造船は資金繰りの悪化から経営再建中。金融関係者は「掃海艇の建造ができなければ、債務を返済できない。222億元は損失となる恐れがある」と話しています。台湾銀行界は、先の復興航空の破綻で100億元の債務不履行が発生して以来、再び巨額損失に見舞われる恐れがあります。

 金管会によると、慶富造船に対する融資は「プロジェクト・ファイナンス」と呼ばれるもので、担保よりも、将来のキャッシュフローを見越して貸し付けるということです。掃海艇の受注により巨額予算が流入することを期待していたとみられます。

問題企業が重要装備受注

 慶富造船は、掃海艇の建造に当たり、心臓部もいうべき基幹部品のソナーについて、敵である中国の企業から調達しようとしていたことが分かり批判を浴びました。

 慶富造船は経営危機に陥っており、掃海艇の建造ができない可能性が高まっています。掃海艇は、対中防衛上の重要装備です。このような装備を、問題山積の企業が受注してしまったことに国民党政権の責任を問う声が挙がっています。

2017年11月1日金門 国共対立の最前線でかつて中国本土と激しい砲撃戦を展開したことで知られる台湾・金門県を訪れた観光客が、今年9月末現在約54万5000人と、前年同期比で51%増えたことが分かりました。県政府による観光PRが成果を挙げたようです。聯合報が伝えました。(写真は聯合報のキャプチャー)

 今年9月末までに金門県を訪れたのは54万4984人。うち台湾人が9万6325人、中国人が7万7622人、外国人が1万1280人でした。ただ、中国人は前年同期比で10万8270人減ったそうです。

 同県観光処の陳美齢処長によると、今年は陳福海県長(県知事)の音頭で、創造性ととセールス活動を組み合わせた観光PR活動を活発に行いました。

 同県では、様々な年齢層の観光客を掘り起こそうと各種の観光イベントに力を入れました。若者向きの「Quemoy国際音楽フェスティバル」、親子連れ向けのイベント、アウトドア派向けの「太武山古道」登山イベントなどを企画し好評だったということです。

 「要塞の島」であることを前面に、軍事施設や戦跡を巡るイベントや、エアガンを撃ち合う「サバイバルゲーム」関連の催しも行い、かつて金門県で勤務した元軍人やゲームの愛好者を引きつけました。

 同処によると、ツアーではなく、個人観光客が大幅に増えたことも特徴です。陳美齢処長は「金門県の観光は今後も堅調に発展すると思う」と話しています。

2017年10月25日標準時 台湾標準時間が現在のように「GMT(グリニッジ標準時)+8時間」と同じであるのは、中国への従属を示すものだとして、日本や韓国と同じ「GMT+9」に改めよとの提案が市民から出ています。風伝媒が伝えました。(写真は中国時報のキャプチャー)

 国家発展委員会の提言用のウェブサイトに掲げられたもので、「GMT+8」を維持するべきだとの意見も出ました。両案とも規則が定める一定数の賛同があったため、同委員会が検討を始めました。

 反対意見は、「GMT+9」に改めると市民生活を混乱させる上、もともと台湾は中華人民共和国に従属していないので、わざわざ標準時間を使って従属関係にないことを強調する必要はないとしています。
 
 同委員会の提言用ウェブサイトでは、中国の五星紅旗を公共の場で掲揚することを禁止せよとの意見も掲げられました。五星紅旗を掲揚した場合は、「国家分裂外患内乱罪」を適用せとの意見で、こちらも一定数の賛同がありました。

日本統治時代は戦時を除き「GMT+8」
 
 台湾紙・中国時報によると、日本統治時代、台湾は当時の日本の「西部標準時」が適用され「GMT+8」でしたが、戦時の1937年に日本と同じ「GMT+9」に改められました。ただ、戦後の1945年9月、台湾総督府の告示で「GMT+8」に戻されました。

 日本統治時代も、戦時を除けばほとんど「GMT+8」だったことになります。中国寄りの報道姿勢で知られる中国時報は「GMT+9」を「脱中国化と日本寄り」の象徴とするのは歴史に対する無知だとからかっています。

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