井上雄介のたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

カテゴリ: 中台関係

中国新歌声 台北市の台湾大学の運動場を借り24日午後行われた中国本土系の音楽イベント「中国の新しい歌声・上海台北音楽祭」が、学生300~400人の抗議活動の結果、途中で中止に追い込まれる騒ぎが起きました。24日付聯合報が伝えました。(写真は上報のキャプチャー)
 
 音楽イベントは、中国本土のテレビ局の人気歌謡オーデション番組「中国の新しい歌声」の関連企画で、蘋果日報によると番組出身の中国の歌手らが多数参加し、台湾大学の運動場に特設されたステージで行われる予定でした。

 ところが、多数の学生が運動場付近で抗議活動を開始。「運動場を返せ」「統戦(中台統一工作)は学園から出て行け」、「われわれは台湾人だ。中国と台湾はそれぞれ別の国だ」などとスローガンを叫び強く反発しました。

 抗議活動を主催した学生は「イベントの工事のため、運動場にひびが入り使えなくなった。しかも、1週間も閉鎖されるので体育の授業ができない」と反対する理由を説明しました。

 抗議の学生が、ステージに物を投げるなどしたため、主催者が同日夕、イベントの中止を宣言しました。

宋楚瑜 11月にベトナムのダナンで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に、野党・親民党主席を務めるベテラン政治家、宋楚瑜氏(75)が蔡英文総統の特使と派遣されるとみられることが分かりました。16日付聯合報が伝えました。(写真は風伝媒のキャプチャー)

 与党・民進党と距離を置き、中国本土ともパイプを持つ宋氏を派遣することで、APECの場を借りて中台関係の改善を模索する目的があるとみられます。

 ニュースサイト、風伝媒によると、蔡総統は今年8月に宋氏に合い特使を依頼したということです。宋氏は、現在の中台対立の情勢を考え、今のところ改善の余地は小さいとして特使になることをためらいましたが、蔡総統のじきじきの依頼を受け「国家社会と中台関係の安定」に役立つならばと、引き受けたそうです。

 親民党筋によると、中国は中台関係の現状に不満ながら、宋氏の出席に反対しない考えとのことです。聯合報によると、与党内では宋氏が特使として適任と賛成の声が多いものの、台湾独立派は難色を示しています。

 中国浸透内偵2018年に行われる6大都市と県知事・市長選挙で中国による介入を防ごうと、蔡英文総統はこのほど、国内民間団体の中国との交流状況を内偵調査するよう国家安全局に指示しました。特に中国と金銭の授受がないかを徹底して調べるそうです。消息筋情報を基にニュースメディアの上報が報じました。(写真は上報のキャプチャー)

 国家安全局はこれまで、台北市で開かれたユニバーシアード夏季大会のテロ対策に忙殺されていました。蔡総統は大会閉幕を待って任務の重点を、中国の選挙介入防止に移すよう指示しました。

 国家安全局は既に、捜査機関の法務部調査局、警察を束ねる内政部警政署、海上警察の行政院海岸巡防署(海巡署)などの実働部隊に任務を割り振りました。

 当初は名称に「中華民国」を冠する団体から調査を始めるそうです。交流先の中国の機関や人物、訪台した中国団体メンバーの身分情報も確認します。団体の理事ら幹部に台湾政治家が就任していれば、さらに詳しく調べます。

中国側は台湾情報をしっかり把握

 この点、中国側の調査はさらに徹底しており、台湾の民間団体が中国を訪問した場合、民進党支持派のメンバーはしっかり特定さており名指しされるそうです。

 翻って台湾側はこれまで、中国の浸透に対する調査が不十分でした。先に中国で行われた孫文生誕150周年の活動に台湾軍の退役将官が出席したのを、台湾当局は中国中央テレビ局が放映した画面で知ったそうです。

 蔡政権は、昨年の米大統領選挙でのロシアの介入疑惑なども念頭に、来年の地方選挙で中国が、日ごろ交流がある団体を通じ特定の候補者を支援することを防ぐ決意です。

台湾軍事力配置図 中国の民間軍事研究機関「知遠戦略防務研究所」がこのほど、台湾の軍事力の配置を極めて詳細に描いた地図を販売しました。部隊の配置、ミサイルの射程、防空の範囲など詳細を極めています。聯合報などが25日伝えました。(写真は同研究所のサイトより)
 
 台湾国防部の陳中吉報道官は「地図の内容はすべて、公開資料から収集したもの」とした上、台湾軍の保秘はしっかり行われていることを強調しました。一方、地図の内容の真偽について国防部は確認を避けました。
 
 地図は台湾陸軍の3大軍団、3大指揮部、ミサイル指揮部のほか、海軍、空軍の基地所在地、編成、兵力などが細かく記されています。さらに「台湾地対地ミサイルのカバー範囲」、「台湾の海洋センサーインフラ、防空・ミサイル防衛システム」「台湾防空ミサイルと天剣ミサイルのカバー範囲」などの図も添えられています。

 聯合報の取材に対し、同研究所は地図の情報源について「公開の情報とルートから入手した」と述べました。

台湾軍の把握情報が少ないことこそ問題

日本軍事力配置 自由時報によると、台湾海軍士官学校元教官の呂礼詩氏は「戦争となれば画像情報だけでなく部隊の動態情報も必要となる。軍事力配置の地図に大騒ぎする必要はない。ただ、中国がわが方の部署を正確に把握しているのに対し、台湾軍部の情報収集の成果に限りがある。このことを憂慮するべきだ」と話しています。(日本軍事力の配置図もあります=左の写真=。同研究所サイトより)

 地図は同研究所のサイトから無料でダウンロードできるほか、大型の印刷版も3000人民元(約5万円)で売っているとのことです。

 同研究所は2001年「米国軍事サイト」として発足し、2008ねに研究所に改組。13年4月に設立許可を得ました。本部は江蘇省江陰市。北京にも支部があります。

委員会もうぞう 行政院の所属機関で、中華民国のモンゴル、チベット両地区と民族の関連事務を管轄する「蒙蔵委員会」が、早ければ8月末にも廃止される見通しとなりました。職員と業務は、中国本土関連の業務を担当する行政院大陸委員会(陸委会)と文化部に引き継がれます。聯合報が14日伝えました。(写真は蒙蔵委員会サイトのキャプチャー)

 上報によると、行政院は2018年度予算案で蒙蔵委員会の予算を計上しておらず、行政院の徐国勇報道官は17年中の廃止を明らかにしていました。現在の職員49人のうち43人は文化部蒙蔵文化センター、6人は陸委会に配属されます。陸委会は「香港・マカオ処」を「香港・マカオ・蒙蔵処」に改組するそうです。

 蒙蔵委員会は1928年、行政院内に設置され「部」(省)と同格でした。中華民国政府の台湾移転後も、中国再統一に備えて蒙蔵委員会は温存されていました。中華民国の台湾化が進むにつれて象徴的な存在となり、陳水扁、馬英九政権時代にも廃止が検討されたことがあります。

 なお、台湾モンゴル友好協会の蔡易餘会長は「モンゴルは独立国であり、中国と対立している」として、蒙蔵委員会は陸委会でなく外交部に編入させるべきだと話しています。

僑委会と退輔会も「米食い虫」

 自由時報によると、野党・時代力量の徐永明立法委員(議員)は、蒙蔵委員会と同様に行政院の機関で、海外居住の華僑・華人を管轄する「僑務委員会」(僑委会)と、退役軍人行政を所管する「国軍退除役官兵輔導委員会」(退輔会)についても「誰もが知る『米食い虫機関』だ」と批判。蒙蔵委員会とともに廃止するよう呼び掛けました。

 徐委員によると、僑委会は、人口2300万人の台湾人の税金で、世界の華僑・華人約4000万人に奉仕する奇妙な機関。しかも、WHO(世界保健機関)の年次総会WHAへ台湾が出席を事実上拒否された際に何も役割を果たず、華僑・華人への影響力が限られています。退輔会も、階級が低い退役軍人の利益は顧みず、退役高級軍人向けの天下りあっ旋機関になっているという。

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