イノウエのたいわんブログ

ほぼ台湾の話題、時々中国…。

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2018年11月25日韓 11月24日に投開票が行われた台湾の統一地方選挙で、高雄市長に国民党候補の韓国瑜氏(61)が89万2545票、得票率53.87%の高得票で与党・民進党から立候補した陳其邁氏(53)を破りました。(写真は、高雄市内に掲げられた巨大選挙広告)

 高雄市の有権者は、地元経済の振興と所得増加の希望を託し韓氏に票を投じたとみられます。ただ、韓氏は具体的な政策を掲げていませんし、筆者は、市長の権限でそのようなことが可能か甚だ疑問に思っています。

 国民党の中にもそういう見方が出ています。ニュースメディアの新頭殻によると、同日再選された台北市の女性市議の秦慧珠さんは、24日のテレビ番組で、韓国瑜氏の名を挙げ「もしうまくやれなければ、1年以内に捨てられる」と語っています。

 同じ番組に出演したベテラン政治評論家の陳東豪さんは「今回の統一地方選は、争点として経済政策の割合が高かった。民進党の経済政策が、国民を満足させていないのは明らかだ」と述べました。韓国瑜新市長の経済政策が、市民を満足させるのも難しいでしょう。

今回の勝者は『嫌いだ民進』党

2018年11月25日勢 24日には全国22県市の首長と県市議会議員選挙が行われましたが、国政の野党、国民党が15県市を制して圧勝。与党の民進党は6県市にとどまり惨敗でした。台北市は無党派の柯文哲市長が辛くも再選されました。国民党は大勝利に興奮状態です。(写真は、24日夜行われた韓国瑜候補の総決起集会の模様)

 自身も国民党所属なのに、秦市議はかなり冷静です。「今回の最大の勝者は『嫌いだ民進』党です。当選した国民党の首長も、多くの人は自分が勝つと思わなかったでしょう」、「一夜明けて興奮が冷めたらよく反省した方がいい」と、今回の選挙がいわゆる「風頼み」の選挙だったことを率直に認めています。

 陳東豪さんも、急変する民意の恐ろしさを指摘しています。

 韓国瑜氏の大ブームが起きたのは8月になってから。民進党は盤石だったはずの高雄を落とし、牙城の台南も辛勝でした。蔡英文総統が、国民党に圧勝したのわずか2年余り前です。

 陳さんは「国民党も準備を急ぐべき。そうでないと13カ月後の総統選で残酷な目に会う」と語り、今回の勝利でも決して安泰でないと警告しています。



 2018年8月29日三態を演じ、世論の激しい批判を浴びています。台湾のニュースメディア、ETtоdayが29日伝えました。(写真はETtоdayのキャプチャー)

 頼清徳・行政院長の「神様だって無理」発言、蔡英文総統の「装甲車上からの現地視察」、陳建任・副総統による「お忍び家族旅行」の三連発です。

 南部の悪天候は熱帯低気圧の影響で、高雄市など各地で民家の浸水などの被害が出ています。29日現在も水が退いていない地区が沢山あるそうです。

 陳副総統は大災害の中にもかかわらず、羅鳳蘋夫人、娘2人、孫とともに金門での家族旅行を楽しんでいたことがバレてしまいました。全行程、なるべく目立たないようにし、一部観光地ではマスクに帽子で「変装」していたそうです。ただ、警備陣の規模が大き過ぎ、市民に見つかってしまったそうです。

 蘋果日報(電子版)によると、蔡総統は23日、嘉義県の被災状況を視察した際、装甲車で現地を訪れたことが問題視されました。ネット上では、総統が装甲車で視察する映像が投稿され、市民の一部や野党が批判の声を挙げました。

車底が高い装甲車を選んだ
   
 総統府は「水位が高いので、車底が高い装甲車で総統とメディア関係者を運んだ。総統は全行程雨靴姿で、水を避けずに歩いた。一部分を取り上げて世論操作をするべきでない」とコメントしています。

 嘉義県政府の関係者は、23日早朝、総統の視察を通知された際、「水位は余り高くない。大げさにならないよう、装甲車はやめて欲しい」と申し入れたそうです。ただ、別の関係者は、総統の同行記者団が雨具の用意をしていないため、嘉義県政府が軍に装甲車の派遣を要請したと話しており、食い違っています。

 頼行政院長の発言は、水害対策の不備を批判された時のもの。「24時間の雨量が600ミリを超えたら、どこの都市でも冠水してしまう。神様だって、冠水を防ぐ自信はない」などと述べました。

 頼院長はその後、南部の被災状況を視察し、嘉義、雲林、台南、高雄の住民に対策の不備を詫びました。その上で「治水の責任は私の肩にかかっている。与野党とも、互いの攻撃をやめて救援に集中しよう」と語り、何とか批判を沈静化させたそうです。

 筆者は、陳副総統の家族旅行は責められても仕方ないと思います。頼院長の発言は口が滑ったぐらいの内容ですが、宰相にしては率直過ぎて芸のない発言と思います。蔡総統の行動は何が悪いのか分かりません。車も少なくて済み警備上の万全ですから、名案ですらあると思います。選挙が近いだけに、揚げ足取りのようになったのでしょう。

 2018年8月22日薩米国の裏庭である中米のエルサルバドルが中国との国交樹立と台湾との断交を発表したことについて、台湾の専門家からは、台湾との関係を深めている米国への示威だとの見方が出ています。

 ニュースサイトの新頭穀によると、台湾・警察大学公共安全学科の董立文教授は、米台関係が緊密さを増す中、蔡英文総統が中南米外遊の途中、トランジット名目で米国滞在を認めたことを狙って報復したと指摘しました。

 董教授によると、中国はアフリカと、米国の裏庭と呼ばれる中南米との交流に積極的です。董教授は「貿易や資源だけでなく、軍事でも布石を打っている。エルサルバドルとの国交樹立も、かなりの時間をかけて準備したはずだ」と話しています。ただ、蔡総統の訪問後を狙った国交樹立は意図的とみられるそうです。

 董教授は「似たような状況は今後も出現するが、台湾は国際関係の発展を止めてはならない」と指摘。「台湾の生存の鍵は結局、米国、日本、欧州との関係だ」と述べました。

 淡江大中国大陸研究所名誉教授の趙春谷氏は「中国が、中華民国から外交関係のある国を奪ったことは、台湾の選挙に影響する。中国がもはや、台湾の政治情勢や民意を気にしていないことを示している」と話しています。

★参考情報★
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パナマが台湾と断交、中国と国交樹立へ

 2018年6月7日蔡NGO「台湾守護民主平台」がこのほど発表した世論調査の結果によると、発足から2年目の蔡英文政権の実績について、与党・民進党の支持者の50%が「満足していない」と答えました。

 「満足している」は46.8%で、民進党支持者で「不満」が「満足」を上回ったのは初めてだそうです。(写真は上報のキャプチャー)

 国民党支持者だと「満足していない」が97.6%、民進党と同じく台湾独立志向の緑派の野党、時代力量の支持者も78.4%が不満を表明しました。無党派層でも不満足の割合は87.4%に達しました。

 蔡政権への不満は、党派を超えて広がっています。市民の切実な要望に応えていないことが要因とみられます。

少子高齢化対策に不満

 最大の不満の1つは、介護など高齢化対策と、保育や幼児教育など少子化対策が不十分なことで、8割が不満を感じています。

 また、やはり8割もの回答者が、総統に立法院(国会)での報告を義務付ける憲法改正を求めていますが、実現していません。

対中政策には諦めムード

 焦点の対中政策では、蔡政権が否定する「92コンセンサス」に対し、反対する回答者が減少しています。

 「92コンセンサス」は、1992年「1つの中国原則」に関し中台が口頭で達成したとされるもの。

 支持政党別では、対中統一派の新党支持者は100%、国民党支持者の84.9%が賛成する一方、台湾独立志向の社民党は92.9%、時代力量は77.5%、民進党は77.4%が反対です。

 ただ、昨年の同じ調査で「92コンセンサス」受け入れ反対が56.6%だったのに、今年は46.7%に低下しました。台湾人の生命、財産の不利益を避けるため、受け入れもやむなしと考える人が増えているようです。
 
 一方で、台湾の民主体制を防衛するための努力が足りないと考える回答者も8割近く、特に20~29歳では85.4%に達しました。

 軍事だけでなく、経済、文化、教育などあらゆる面で行われる中国の浸透に、台湾の民主体制を守るための対抗が不十分と考えてます。

 蔡英文総統の対中姿勢は頼りないため、諦めムードが漂い始めたということでしょうか。

 中国に対抗する上で、「現状維持」を唱えたり、「92コンセンサス」を否定したりという消極姿勢でなく、もっと強くリーダーシップを発揮して欲しいというのが、今回の調査結果に表れた民意のようです。
 

★参考情報★
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2018年5月9日柯 ニュースサイトの上報によると、与党・民進党内に「柯文哲・台北市長嫌い」がまん延しています。民進党の台北市の末端組織で、柯市長の中国寄りの姿勢や、不用意な発言が続いていることに反発が高まっており、「反柯文哲ムード」は中南部のその他の都市の同党末端組織にも拡散しているそうです。(写真は上報のキャプチャー)

 同党関係者によると、「蔡英文氏が、2020年の総統選挙で柯文哲氏の立候補を恐れ、台北市長選は柯氏に譲った」とのうわさが民進党の末端組織で拡散し始めました。

 党指導部は、蔡総統の威信に関わるため、うわさを看過できなくなりました。台北市長選で柯市長を切り捨て、独自候補を立てる可能性が高まっています。既に同党の選挙対策チームが柯氏を呼んで、柯市長に譲らない可能性もあると告げたそうです。

 柯市長は長らく民進党の支持を疑わず、自信満々でしたが、今月初めに同党の変心を知らされ、痛くショックを受けたそうです。

無党派層の取り込みに自信

 ただ上報によると、柯市長は、2014年の初当選時と同様、民進党でも国民党でもない無党派層の支援により、民進党の応援がなくても今年末の市長選に勝利できるとみているようです。

 台北市の有権者のうち民進党と国民党が各30%、無党派層が40%を占めています。両党の争いに嫌気がさしている有権者も多く、無党派層とともに柯市長を支持する可能性があります。

 柯市長はさらに、国民党支持者のうち、熱心とまでは言えないシンパ層、知識層、経済人が自身に投票するとみています。市長が行った世論調査では、支持率は有権者の55%に上るそうです。

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