2018年8月8日全 台湾のスーパーマーケット全聯福利中心が「中元節」に当たり製作した広告動画に、白色テロの犠牲者とされる陳文成さんを連想させる男性が登場しているとして、ネット上では賛否の意見が飛び交う炎上状態となっています。(写真は新頭穀のキャプチャー)

 ニュースメディアの新頭穀によると、全聯福利中心が、あらぬ連想を避けてもらう目的で3部、計3分7秒の動画全部をユーチューブに公開しました。3日後には削除するそうです。

 同社は、広告動画は、先祖らの霊を慰める中元節らしく感謝の気持ちや、懐かしさ気持ちを伝えることが本心であり、いかなる歴史的人物、事件とも関連ないとしています。

 3本は、日本語受けたお母さん、中国本土からやってきた北京語をしゃべる老人、台湾語を話す知識人青年がそれぞれ、恩人への感謝や昔を懐かしむ気持ちを語るという内容です。

 うち台湾語を話す知識人青年が、1981年、米国から帰国中、憲兵に連行された後、遺体で見つかった陳文成教授=当時(31)=にそっくりだとして、大きな話題になりました。

 陳教授の死因は今でも不明ですが、陳教授が当時の国民党政権に反対する勢力と接触していたため、当局に殺害された疑いがあります。

 広告動画の男性は、確かに陳教授に似ています。しかも、背景の鏡に「民国70年」(1981年)の文字が書かれていて、思わせぶりです。

 真相はどうあれ、1981年はそんなに昔のことではなく、まだ生々しい事件なのだということが分かります。