2018年9月28日商 台湾のニュースサイト、上報によると、中国当局が、自国で事業を行う台湾企業(台商)に対し、民進党政権を支持したり接触しないよう、あの手この手で圧力を強めています。(写真は上報のキャプチャー)
 
 台湾の対中国交流窓口機関、海峡交流基金会(海基会)がこのほど台商を招いて「中秋節」の交歓会を開きました。

 海基会は、中台関係の緊張に伴う暗い雰囲気を和らげようと、これまでのような座談会形式ではなく、初めて宴会にしました。同会の姚人多事務局長も、平素の知識青年ぽいイメージをかなぐり捨て、台商と酒杯を交わしたそうでえす。

 それでも「台商」は中国を気にしてびくびく。「出席したことはくれぐれも伏せて欲しい」と、匿名での出席希望が相次ぎ、ほとんど非公開で行われたそうです

李栄福氏、85度C…相次ぐ災難
 
 今年は「台商」の中国絡みの災難が続きました。まず、2月に起きた「李栄福」事件で、「台商」を震撼させました。

 当時、中国民用航空局が、台湾海峡上空の民間機用航路「M503北上航路」と隣接航路の使用開始を一方的に宣言したことで、中台の緊張が高まっていました。

 福建省ショウ(さんずいに章)州の台商団体の名誉会長で、製缶会社、福貞控股のトップの李栄福氏が、台湾で行われた「台商」の春節の交歓会で「蔡英文氏が中華民国の総統になった以上、全力で支持するべき。それが民主主義国家のやり方」と述べました。

 平凡な発言ですが、中国のメディアから「台湾独立派の台商」とのレッテルを貼られて猛攻撃を受けました。李氏は、台湾各紙に「台湾独立反対」の謝罪広告を出したほか、北京に赴き中国当局の謝罪しました。しかし、状況は好転せず、李氏はトップの座を辞めざるを得ませんでした。

 85度Cは、台湾系の有名チェーン・カフェ。蔡英文総統が南米訪問の帰途、トランジットのため滞在した米ロサンゼルスで8月12~13日(台湾時間)、「85度C」の店に立ち寄ったところ、中国のネットユーザー多数が「台湾独立派の店だ」として強く反発し、ボイコットを呼びかける騒ぎとなりました。

 海基会は、「台商」との接触に極力気を使っています。台湾で行う同会主催の催しですら、「台商」には事前の打ち合わせを良く行って、中国の了解を取ったか確認する必要があるそうです。

★参考情報★
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