台湾の中央と政府は、台湾高速鉄道(新幹線)の南部屏東県への延伸について、賀陳旦交通相は「一部路線を優先的に建設することは、短期的には考えていない」と語り、当面はありえないとの考えを示しました。



 



 中央社によると、交通部はこのほど高雄・左営駅から屏東県に延伸した場合の試算を行いました。それによると、在来線沿いに新たにトンネルなどを800億~900億台湾元(2885億~3245億円)がかかるが、在来線の台湾鉄路に比べ9分、時間を節約できるそうです。



 



 ネットメディア「風伝媒」は、交通インフラ建設は永遠に政治的配慮と無縁でいられないが、高速鉄道の屏東県への延伸については、情緒的な判断を捨て、専門的な検討に委ねるべきだとしています。 



 



 風伝媒によると、台湾高速鉄道は当初、南北の2大都市、台北と高雄を最速で結ぶため建設されましたが、地方の要望により苗栗、彰化、雲林の3駅が建設されました。このため台北~高雄間の所用時間が20分余計にかかるようになったとのことです。



 



 3駅の1日の乗降客は1500~2700人で、閑散としており「蚊の飛ぶ駅」となっています。屏東県の人口は84万人と、3駅がある3県の56万~128万人と同規模なので、屏東県にできる新駅がどのようになるかは容易に想像できそうです。



 



 台湾は日本同様の人口減少社会に転じます。3000億円もの巨費を投じて新幹線を延伸しても、それに見合う効果がないかもしれません。



 



 筆者としては、この点は日本の悪い点を鑑にして、もっとアイデアに溢れた地域興しに取り組んでもらいたいと思います



 



 また、同じ鉄道に投資するなら、在来線の台湾鉄路に投資したらどうかなと思います。台鉄がよくなると、東部など台湾の交通がもっと便利になるのになと考えます。



 



(参考)http://www.storm.mg/article/213461