ニュースメディア、上報によると、2016年5月の蔡英文政権発足後、与党・民主進歩党(民進党)内部で、党内最大派閥「新潮流派」による権力独占傾向が強まっています。(写真は「上報」のキャプチャー)



 



 非新潮流派のベテラン幹部からは「蔡英文総統まで、新潮流派入りしたのか」などと、新潮流派を重視する蔡総統に反発する声もでてます。ただ、蔡英文総統の新潮流派重視は政治的な力学の結果のようです。



 



 中国評論新聞網によると、陳水扁事務所の元主任で、政治評論家の陳淞山氏は「新潮流派は、党内勢力の3分の1から2分の1を占める。蔡総統も警戒心を抱きつつ、一種の『恐怖のバランス』を保っている状態だ。彼らを重用せざるを得ない」と話しています。



 上報によると、新潮流派に反発する非主流派は、2018年の県・市長選挙で「非新潮流派連盟」を結成し、自らの勢力の拡大を目指しているということです。



 



 6つの直轄市の中で、民進党の首長が統治しているのが高雄、台南、台中、桃園の4つ。民進党の関係者によると、うち18年の選挙で、新潮流派は高雄、台南の2市を失う可能性が高いとみられています。



 



 民進党には、1986年の結党以来の老舗「新潮流派」、蘇貞昌派の「蘇派」、蔡英文氏支持派「親英派」、游錫コン派(コンは方2つの下に土)の「正国会」などがあります。



 



 民進党は2006年に派閥解消を決め、各派閥は解散しましたが、新潮流派の「台湾新社会智庫」などシンクタンクに名を改め、実際は存続しているということです。



 



 台湾政界は、民進党の一強支配状態。国民党は壊滅、時代力量が成長するかどうかは未知数です。やがて民進党が分裂して新たな2大政党が誕生することも、あるのかも知れません。



 



(参考)http://www.upmedia.mg/news_info.php?SerialNo=11197