日本統治時代の台湾で、農業水利事業に貢献した水利技師、八田与一氏を記念するビニール製のレインコートを、野党・台湾団結聯盟が制作し、22日、発表しました。台南市にある八田氏の銅像が、中台統一派の人物に壊される事件が起きたばかり。台湾独立志向が強い同党は逆に、八田氏を称える商品をつくり販売することにしました。民報が伝えました。(写真は民報のキャプチャー)



 



 八田氏は1930年、台湾南部の嘉南平野に烏山頭ダムを中心とする水利施設、嘉南大しゅう(シュウは土に川)を設計し、建設を指揮しました。台聯の前立法委員、周倪安氏によると、嘉南大シュウの完成により、台湾のの食糧生産が天候の影響を受けることが少なくなりました。



 



 周氏によると、台湾人は雨乞いが不要になったので、水をもたらした八田氏は雨の神様です。このため「レインコート」で八田氏を記念することにしました。



 



◆銅像破壊は八田氏顕彰の良いきっかけ



 



 周氏は、銅像の破壊事件について「かえって、良識ある台湾人に八田与一への感謝の気持ちを起こしてもらう運動を起こすきっかけができた。台聯は、八田イメージ商品の『八田レイン・コート』を発売することを決めた」と話しています。



 



 台聯の政策分析主任の姜冠宇氏は「日本の植民地統治の功罪と政治的責任を、八田与一に負わせるべきではない。地方の発展史にとって、八田氏は台湾農業水利の大人物であったことは確かだ」と語っています。