米エール大学政治学博士の学歴を持つ政治学者、江宜樺行政院長(首相)が就任後あいさつのため王金平立法院長(議長)が訪れた。最優先の政府法案50本を準備すると勢い込んで語るのに対し、王院長から「議会の会期は残り2カ月。核四(龍門原子力発電所)建設に絡む法案1本に絞ってはどうか」などといなされてしまった。 71歳の老練の政治家と並ぶと、52歳の博士は線が細い。海千山千の議員を口説いて法案を通すなぞ1本でも難しかろうに、50本などと口走る学者宰相が心配になる。この点「核四」に全力投球せよとの議長のアドバイスは的確だ。 政治家には知力以外に「総合人間力」が必要だが、台湾の閣僚任用は学歴偏重のきらいがある。地方の首長や財界人ら実務家を据えないと、どこかの国のように首相がころころ替わることになりかねない。(井)(NNAテイクオフ、2月26日)http://news.nna.jp/free/news/20130226twd001A.html