何ときれいな北京語だろうか。早慶両大合同の台湾の親睦会で、野党・民主進歩党(民進党)前主席の蔡英文女史が講演した。中国一辺倒でなく、成長を続ける東南アジアやインドと経済、文化の交流をもっと深めたいという内容で、メモや資料もなく1時間もよどみなく話しを続けた。陳水扁前総統ら同党の古参幹部の台湾なまりと異なる、標準的な北京語が印象に残った。
自由、民主主義、法治など同じ価値観を共有するアジアの国・地域と経済交流をもっと活発化して、お互いの繁栄を目指したいという。日本企業の積極的な関与も呼び掛けるもので、話のスケールが大きい。台湾の独自性よりも、普遍的な価値観を強調する点が従来の同党幹部と異なる気がした。
蔡女史が2016年に総統に当選したら、台湾がどう変わるのか。将来が楽しみな気になる、前向きなスピーチだった。(井)(NNAテイクオフ、4月18日)
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