馬英九政権が29日、7人を替える内閣改造を発表した。突然のことで、政府の記者発表まで自身の更迭を知らない閣僚もいた。陸軍兵士虐待死事件で、高まった市民の怒りをそらすため、高華柱・国防部長に詰め腹を切らせるのが最大の目的だったらしい。
高部長更迭の真の目的は、元・世界銀行チーフエコノミストで北京大教授の林毅夫氏の台湾帰還に向けた布石との見方が出ている。林氏は1979年、陸軍士官として金門島で勤務中、泳いで中国に亡命した。林氏は里帰りを希望しているが、高部長は反乱兵として必ず処罰する方針を頑として変えなかった。
楊念祖・新国防部長は文官出身で軍内に全くしがらみがない。中台友好を重んじる馬総統の意を受け里帰りを認める可能性がある。台湾軍の存在理由につながる問題だけに、虐待死事件を上回る波乱も予想される。(井)(NNAテイクオフ、7月31日)
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