台湾軍の元総参謀長の李喜明予備役大将が、中国との戦いに備えてゲリラ部隊「国土防衛隊」の創設を提案する論評をネットメディアの「壮闊台湾」に掲載し注目を集めた。侵攻する中国軍と、洋上での戦闘や水際決戦に破れた場合、台湾軍の正規特殊部隊の支援を受けながら、都市部で長期間のゲリラ戦を展開する。台湾侵攻が「高くつく」ことを思い知らせることで、抑止力とする狙いがある。(写真は壮闊台湾のキャプチャー)
李大将が構想する「国土防衛隊」は、軍事訓練経験者を中心とした軽武装の民兵のような部隊で、敵を打っては逃げる「ヒットエンドラン」戦法を採る。一九九三年のソマリア・モガディシュの戦闘や、二〇〇四年のイラン・バグダッドでの戦闘を念頭に置いたもので、どちらも最精鋭の米軍が、地元を知り尽くしたゲリラ部隊との激しい市街戦に引き込まれ、大きな犠牲を払わされた。
論評によれば、中国軍の台湾侵攻作戦は、台湾全土の占領よりも、台湾軍主力を素早く撃滅する短期間を最優先にしている。主力が壊滅すれば、中国軍を追い出すため、米軍も地上部隊の投入が不可欠なり、介入をためらう可能性が高いと中国は見ている。
逆に「国土防衛隊」の執拗な抵抗が予見されると、中国軍は長期戦を恐れて侵攻を再考する可能性が高い。長期戦となった場合に中国は、米軍の介入だけでなく、少数民族など国内の反乱や、米国以外の外国の浸透も恐れなければならない。台湾湾侵攻作戦を発動すれば、正面の東部、南部両戦区で民間を含む総動員が必要であるだけでなく、他戦区や国境地区からも軍や治安部隊の抽出が不可欠となるためだ。
台湾メディア風伝媒によると、ただ、実際は「国土防衛隊」の創設は有力ではあるが容易でなはない。徴兵制の中止で、4カ月の軍事訓練を受けただけの男性が主力となり、市街地でのゲリラ戦を行う能力があるのか心もとない。また、モガディシュの戦闘などをように、凄惨な戦いとなるゲリラ戦は大きな犠牲が避けられない。結局、台湾市民に徹底抗戦の覚悟がないならば、創設は諦めるしかなさそうだ。
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