
台湾最大の造船会社、台湾国際造船(台船)の高雄市の造船所で十一月末、蔡英文総統も出席して、潜水艦の着工式が華々しく行われた。来賓席にずらりと並んだのは韓国の技術顧問らで、日本人の姿はなかった。実際の潜水艦の建造でも、日本の貢献はほぼないようだ。
韓国は、潜水艦建造大国で輸出実績もある。大宇造船は、昨年十一月には排水量三千トンの潜水艦、安昌浩級(KSSー3)と安武(SS-085)を相次ぎ進水させた。ドイツからの技術導入で、韓国海軍の潜水艦を相次ぎ建造。また、インドネシア海軍にも技術供与や輸出を行っている。
馬英九前総統時代から、台湾海軍や台船がつくる潜水艦開発チームが、大宇造船と緊密な連絡を続けてきた。チームは、日米とも接触していたが、結局、大宇造船主導を決めた。二千トン級のDSME中型潜水艦をベースに建造が進められる見通しだ。
装備はロッキード・マーチンの戦闘システム、レイセオン・テクノロジーズのデジタル・ソナーシステムなど米国からの導入が決まり、既に米政府が許可した。
日本の協力は、台湾が当初から切望。一時、三菱重工の退職技師や、防衛省海上幕僚監部装備部門の元幹部からなるチームが積極的に関与するとされていたが、いつの間にか影が薄くなった。技術顧問数人が意見具申するだけでほぼ関与はなくなった。
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