22021年4月18日雷 台湾(中華民国)軍の機関紙・青年日報が、機微兵器の「レーダー車」の写真二枚をうっかり掲載、配備場所まで報じる大失態を演じた。邱国正国防相が激怒し、社長を事実上、解任した。レーダーの開発には米軍も関与したとみられ、記事が掲載されたことに、対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)も懸念を伝えたという。ネットメディアの風伝媒が伝えた。(写真は風伝媒のサイト画面)

 青年日報は三月末、「パッシブ・バイスタティック・レーダー車」が「戦車揚陸艦(LST)」と上陸用舟艇の連携で、台湾海峡に浮かぶ澎湖諸島に無事運ばれたと報じ、、車両ががはっきり見える写真二枚を掲載した。車両はこれまで公開されたことがなかった。

 「移動レーダー車」は、中国軍の第5世代の新鋭戦闘機J20のステルス性を無効化できる画期的な装備。澎湖諸島という配備場所も重要で、台湾軍が中国軍機の来襲をいち早く捉え、台湾本島が防空態勢を整える時間を稼ぐという狙いもあったが、同紙はご丁寧にも、配備場所まで明かしてしまった。

 中国軍が、レーダーのスペックを分析して対策を行うのは避けられない。台湾軍が、軍機関紙の失態で切り札の一つを失う恐れがある。また、澎湖諸島は中国軍侵攻の際、最重要の防衛拠点の一つで、装備や輸送の一端が明らかにされてしまったのは痛手だ。

 同社は、問題の記事をウェブサイトから直ちに削除したが、外電が既に転載しており既に手遅れ。台湾国防省は、処分を報じていないが、青年日報の孫立方大佐が、来年末の定年退官を前に異動。車両の輸送に関係した、海軍少将も交代しており、ともに責任を問われたとみられる。

★参考情報★
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