
台湾周辺で中国軍の電子戦機の活動が活発化している。中国軍は四月まで、多数の戦闘機を台湾周辺で飛行させ、台湾に圧力を掛け続けたが、これはあくまで示威活動。電子戦機は、中国軍の台湾侵攻にとってはるかに実質的な意味を持ち、台湾軍は緊張を高めている。
五月十一日には、電子戦機「Y8EW」が台湾南西沖を飛行。同機の意味をよく理解する米軍は、直ちに無人戦略偵察機「MQ4C」を現地に向かわせ、Y8EWを包囲するように飛行させたもようだ。
Y8EWは、遠距離から電子戦を行う能力を持ち、侵攻の際は、電磁波で台湾軍の対空ミサイルを無力化して、中国軍機に安全な飛行ルートを開削する役割を担う。
台湾軍は、本島から三十カイリライン以内を警戒区としており、Y8EWはこのラインの付近で情報収集をしていた。Y8EWは、電子戦の訓練も行っていたもようで、同日は台湾の民間の無線通信に一時、深刻な影響が出たという。
台湾で五月十三日に大規模停電が発生した。高雄市の火力発電所のトラブルが原因とされたが、中国軍機による電子戦を疑う声も出ている。
中国軍は四月三十日にも、Y8EWのほかY8対潜哨戒機、情報収集機「Y9」、早期警戒管制機「KJ500」などを飛行させたほか、ミサイル駆逐艦「浜州」号台湾・基隆沖を航行させた。
三十日は、台湾軍の「漢光37号」兵棋演習の最終日で、Y8EWやY9は演習へのけん制とともに、台湾東部に配置された台湾軍基地の防衛態勢、特に電子戦の情報を収集していたものとみられる。
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