22021年12月12日商 台湾のネットメディア、上報によると、習近平総書記の三期目就任を決める二〇二二年の党大会と、二四年の台湾総統選挙を前に、中国当局が在中の台湾企業家「台商」に対し強烈な締め付けに乗り出した。台湾与党の民進党への献金を断って、兵糧攻めにする狙いとみられるが、苛烈なやり方に、各地の台商からは「文化大革命」に匹敵するとの指摘も出ている。(写真は商業週刊のサイト画面)

 台湾政策を扱う各地方政府の台湾事務弁公室が、地元の台商に命じ、私的会合であっても、誰が出席し何を発言したかを密告させ、民進党支持者のあぶり出しを進めている。また、台湾では公開情報の「政治資金報告書」を根拠に、民進党へ献金した台商を特定した上で、中止を命じているという。
 
 中国国務院台湾事務弁公室と関係緊密で、親中派の台商団体「全国台湾同胞投資企業聯誼海会」(台企聯)ですら、一部幹部の「台湾独立反対の発言が生ぬるい」、「立場がゆらいでいる」などと認定され、中国当局が近く解任など処分を検討している。

 中国当局は、十一月中旬「十二社の台湾独立派資金源企業」と題する動画を作成、ユーチューブなどSNS(交流サイト)で散布。民進党に献金歴がある十二社の名前を挙げた上、各社とも関係断絶を宣言しており、政治資金の枯渇により「蘇貞昌(行政院長)ら台湾独立派の政治生命は終った」などと指摘した。十二社への処罰はまだないが、台商はにわかに緊張に包まれた。

 台湾誌・商業週刊によると、中国当局は先に、台湾大手財閥の遠東集団に、民進党への献金を理由へ約八十五億円の支払いを命じた。台湾で遠東集団は「親民進党」とはみられていなかった。台商によれば、台湾企業の大部分が、民進党と国民党の双方に献金している。遠東集団の例は、民進党への献金を一切許さないことを示す見せしめで、台湾総統選を前にした統制強化の号砲とみられている。

 台湾経済界では、習近平総書記が来年、三期目就任を決めると、台湾独立派への圧力を一層強めるとの見方が強まっている。

 台湾の大手企業経営者によると、中国では「毛沢東は、中国を立ち上がらせた。鄧小平は中国を富ませた。習近平は、中国を偉大にしなければならない」と言われている。習近平氏にとり、台湾独立は中国の失敗であり、自らを歴史の罪人とするもので、絶対に許容できないという。

 大手台湾企業の責任者は「中国は経済を武器に、中国の条件を飲ませた上で、話し合いの席に就くよう台湾に迫るだろう」と述べた。

 この責任者によると、中国は台湾企業に対し、中国事業の不許可をちらつかせた上、台湾での株式上場廃止と香港上場を求める可能性がある。

 中台の政治対立とは裏腹に、双方の経済関係は緊密さを増している。台湾財政省の一~十月の統計によると、中国・香港は台湾の最大の貿易相手。中台の経済関係が断絶すれば、輸出の半分と貿易黒字が失われ、台湾には失業者があふれることになる。台湾独立派にとって、台商が最大のアキレス腱となる可能性がある。

◇出典

https://www.upmedia.mg/news_info.php?SerialNo=130878
https://www.businessweekly.com.tw/focus/indep/6005965

◇参考情報
中国当局「台商」集め座談会、18年選挙にらみ情勢把握