20220401京ウクライナ侵攻のロシア軍に大損害を与え、防空の切り札として注目が集まる米国製の携帯式地対空ミサイル「FIM-92スティンガー」の台湾軍への納入が、新型コロナウイルスの感染拡大による値上がりと需要急増のため、二〇二五年以降に遅れる見通しとなった。台湾海峡の緊張が高まる中、蔡英文政権が引き渡しを早めるよう求めているが、三月初めの段階で、米国側から明確な回答が得られていない。(写真は上報のサイト画面)

 台湾軍は早くも一七年、「FIM-92スティンガー」の発射システム百八基、ミサイル二百五十本、IFF(敵味方識別装置)百八基の調達を決め、計百三十三億七千万台湾ドル(約五百五十二億円)の予算を計上。一九年までに手付金として七九百万ドル(約八十九億円)を支払った。

 しかし、製造元の米レイセオン・テクノロジーズ社は、二〇年以降の新型コロナの世界的な感染拡大による人手不足と人件費の上昇、半導体など原材料価格の高騰を理由に値上げを求めてきた。

 交渉は、台湾側の拒否で二〇年中は停滞。二一年に進展があったものの、台湾側は、地域情勢の緊迫化を理由に遅くとも二四年から納入を始めるよう求めているが、回答はない。ウクライナ戦争でスティンガーの需要が急増したことで、同社が強気になっている可能性もある。

 台湾のネットメディア上報などによれば、台湾は一九九六年と九九年に二度にわたり、NATO(北大西洋条約機構)加盟国と南米の友好国から、余剰のスティンガー七二八本の購入を試みたが、米国の圧力で中断した過去がある。中国への配慮のほか、軍事機密の漏洩を恐れたためとの見方がある。

 米国は九六年八月、車載式近距離防衛システム「アベンジャー」の台湾への売却を発表、まもなく台湾陸軍の防空部隊に配備された。スティンガーの替わりとみられている。台湾はその後、兵器研究機関の国家中山科学研究院(NCSIST)で、携帯式地対空ミサイルの独自開発を試みたが不首尾に終わった。

 蔡英文政権が一六年に発足後、強大な中国軍と非対称戦争を戦う上で、スティンガーが必須の装備であることを米政府に説き、ようやく同意を得た。いずれにせよスティンガーの調達は、実現しないまま三十年近い時を経ようとしている。

◇出典

https://taiwan-inoue.com/archives/24507686.html

https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=1&SerialNo=138807

https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=1&SerialNo=139436

https://tw.news.yahoo.com/%E7%9B%9F%E5%9C%8B%E6%AD%A6%E5%99%A8%E9%9C%80%E6%B1%82%E5%A4%A7%E5%A2%9E-%E7%BE%8E%E6%93%AC%E7%B5%84%E6%96%B0%E5%9C%98%E9%9A%8A%E8%99%95%E7%90%86-041031871.html


◇参考情報
米新鋭戦車購入予算が二百億円水膨れ 総統選対策の疑念も