20220318 憲 台湾軍の広報機関、軍事新聞通信社は、台北憲兵隊が二〇二一年、違法薬物銃器の摘発が計四十一件に上ったと報じた。台湾軍の憲兵隊は司法警察権を持ち、刑事事件の専門部隊を持つが、犯罪摘発の実績を公表したのは初めて。国民の嫌われ者のイメージを払拭し、内部の士気を高める狙いがありそうだ。(写真は軍事新聞通信社のサイト画面)

 台北憲兵長の胡博栄大佐によると、憲兵隊調査官による内偵捜査で証拠をつかんだ後、違法薬物銃器摘発の強制捜査に踏み切る。違法薬物と銃器は密接不可分で、マフィアが絡んでおり、かなりの危険を伴う。隊員は十分に訓練を積んだ上、安全第一で任務に取り組んでいるという。

 憲兵隊は、装備も充実しており、犯罪捜査でもドローンによる空撮などを積極的に活用。強制捜査前、現場周辺で十分な状況把握を行う。また、犯罪者側が使うドローンを電波干渉で強制着陸させるジャミングガンも備えている。 

 台湾で憲兵隊は、民主化以前の時代の権力乱用のイメージがあり、国民にとって余り触れたくない存在。これまで犯罪捜査で成果を挙げても、広報してこなかった。このままでは隊員の士気にも影響を与えかねないため、数カ月前、憲兵指揮部のトップに着任した周広斉中将が、積極的に広報する方針に転じた。

 周中将は憲兵科出身の「純憲兵」。台湾の情報・捜査機関、法務部調査局で研修を受けたことがあり犯罪捜査にも精通している。今後、憲兵隊はマフィアの摘発などに積極的な役割を果たすとみられている。

◇出典

https://mna.gpwb.gov.tw/news/detail/?UserKey=d33083bc-4b71-472b-af9a-68c7c01a4929

https://www.chinatimes.com/realtimenews/20220130002744-260407?chdtv

https://www.storm.mg/article/4183066

https://www.rocmp.org/mp.rocmp.org/jp/kind/

https://www.moneyhouse.com.tw/moneyhouse/?page=news_content&n_id=13365

◇参考情報
中国人民解放軍の「総統斬首」作戦阻止へ、憲兵即応中隊発足、対空ミサイルも装備
斬首作戦警戒で新指令、国防相と参謀長同席せず