山東、朝鮮銀行 山東省青島市の館陶路にある旧朝鮮銀行青島支店の入口の門柱が、建物の現在の使用者である中国工商銀行青島市北第二支店により勝手に撤去されたことが市民の通報で分かりました。建物は山東省の文化財に指定されており、市当局は門柱を修復するとともに、関係者の責任を追及することにしています。青島新聞網などが17日伝えました。(写真は青島新聞網のキャプチャー)

 旧朝鮮銀行青島支店のような歴史的建物を修復、保存するケースは台湾ではしばしばみられますが、中国本土でも一部は大切に保存されています。過去の歴史に対する総括とは別に、文化財の価値は認める姿勢は立派だと思います。

 同支店の建物は山東省指定の文化財ですが、工商銀行が入口の雨除けを修理する際、「ローマ風」の門柱2本などを勝手に撤去してしまいました。市民が発見し、市当局が柱の行方を捜していましたが、出稼ぎ労働者が持ち去ったことが判明。市内の文物収集家、趙宝山さんが私財で労働者から柱を買い戻したとのことです。

  青島市は第1次大戦後の1914年~22年と日中戦争時の37年~45年、日本に占領されました。市内には当時の日本人が建てた工場などが今も残り保存されています。

 建物は第2次大戦前、ソウルに本店があった日本の特殊銀行、朝鮮銀行青島支店のもの。地元紙、半島都市報によると建築家、三井幸次郎氏が設計、大倉土木が施工し1932年に完成しました。鉄筋コンクリート造りで床面積は1500平方メートルあります。朝鮮銀行青島支店は、日本の敗戦とともに中華民国の中央銀行青島支店が接収しました。