
米軍は二〇一六年から、ハリアー2を退役と、短距離離陸と垂直着陸が可能なF35B戦闘機に取り換えに着手しており、二五年に完了する見込み。台湾が望めば、米政府が直ちに許可するとみられる。
米軍事専門家によれば、台湾軍によるF35Bの購入は、実のところ米側にとってリスクが小さくない。最新鋭機のため、保守点検が十分にできない恐れがあるほか、中国への情報漏えいという重大懸念がある。
この点、ハリアー2が搭載する「RRペガサス」エンジンは約四十年前の技術で作られており、中国へのハイテク漏えいの恐れはまったくない。
この点、ハリアー2が搭載する「RRペガサス」エンジンは約四十年前の技術で作られており、中国へのハイテク漏えいの恐れはまったくない。
台湾側にとっても、台湾軍の各部門が、限られた国防予算を奪い合う中、機齢二十五―三十年の中古機の購入案は、政府を喜ばせることは間違いない。
ハリアー2を調達する場合、台湾海軍陸戦隊(海兵隊)に配備される見通し。中古でも高性能機であり、台湾が購入後、最低でも十年は活躍できる。
ただ、台湾がハリアー2を調達する場合、台湾軍が使うF16型戦闘機と同等のレーダーシステムに換装する必要があり、実際の運用までには、それなりの費用がかかる。また、ハリアー2は世界で生産機数が少なく、部品調達に苦労する恐れがある。
台湾にとり、飛行場が破壊されても、一般道路などで運用できるSTOVLは是非とも必要。ただ、中古のハリアー2ではなく、スウェーデン製で低コストなSTOVL機「サーブ39グリペン」を選ぶ可能性もある。
◇参考情報○台湾が予備役を大強化 米軍の「ダメ出し」きっか
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