202300318空 中国軍機多数が連日飛来し、台湾海峡中間線越えが「常態化」する中、中国軍無人機BZK005が初めて、爆撃機を伴って台湾南部沖のバシー海峡を通って東部に回り込む飛行を行い、台湾軍に衝撃を与えた。台湾東部は台湾防衛の拠点で、中国侵攻の際の戦力温存の場所になるほか、米軍の支援を受ける窓口となる。無人機と有人機の連携攻撃が東部に行われれば、大打撃となる。中国メディアの風伝媒などが伝えた。(写真は風伝媒のサイト画面)

台湾国防部の発表によれば、BZK005は、長距離爆撃機H6を伴って飛行したほか、空中警戒管制機(AWACS)KJ500も付近を飛行した。爆撃機と無人機を指揮していたとみられ、かなり実戦的な内容だった。

日本の防衛省関係者によると、無人機は台湾東部の防空レーダーの場所を特定する役割を担うとみられる。実戦ならば台湾側の防空レーダーは、照射したとたん中国本土からミサイル攻撃を受け無力化される。そうなれば爆撃機はやすやすと攻撃に移れる。

 台湾の専門家によれば、無人機は防空レーダーなど敵の位置情報の収集のほか、戦闘機など空中打撃部隊のデータを、数百キロ離れた海上部隊に伝える「通信中継」や、第二次攻撃を行うかどうかの判断を行うための戦果の確認にも活用。現代戦に欠かせない先端装備となっている。

 中国軍が台湾に侵攻する際、南西部が主要な攻撃対象とみられてきたが、二〇一五年の軍隊の改革を機に、上陸作戦には適さない台湾東部への攻撃を重視する新戦術に切り替えた。東部の部隊を叩けば南西部への上陸作戦に有利であるほか、台北など首都圏への救援も妨害できる。中国軍は、強襲揚陸艦からの空中機動作戦を想定しているもよう。今回の無人機の東部への飛来も、東部攻略の演習とみられている。

◇出典

 

https://www.storm.mg/article/4698197?page=1