202300318潜 台湾軍が、国営兵器製造機関、国家中山科学研究院に三十六億六千万元(七百十八億円)で、無人潜水艦「慧竜」の建造を委託した。今年九~十月期にも進水し各種の試験を行う。台湾メディアの自由時報などが伝えた。

 全長三十メートル、幅三・六.メートル、艦橋までの高さは六メートル。魚雷発射管二本を備える。百トンの小型潜水艦並みの大きさだが、同研究院は公式には「慧竜」を、現在建造中の国産潜水艦のための水中試験台と説明している。

 ただ、関係者によると、「慧竜」は、今後の無人潜水艦開発に向けた一歩。建造も、国産潜水艦の戦闘システム開発チームが担当する。第一段階では、偵察と掃海、電子作戦用を開発。その後は米ボーイングの自律型無人潜水機(AUV)のOrca(オルカ)のような攻撃型の無人潜水艦の開発に進む計画だ。

 台湾国防省は、国産潜水艦の開発完了後、無人潜水艦隊の編成に取り組むことを計画している。中国軍との戦闘で予定戦場となる台湾海峡は、大部分で水深が浅く、無人潜水艦の使用に最適との認識が、台湾国防省内で広く共有されている。

台湾軍は、小型の無人潜水艦を百隻近く、魚雷を抱かせて忍ばせておけば、中国軍の水上艦艇と潜水艦の双方にとり大きな脅威になると見ている。比較的安価ながら、航空母艦など高額な兵器を無力化できる「非対称兵器」の典型となる。

また「慧竜」は、公式の説明通り、国産潜水艦向けの「水中試験台」の役割も果たす。自主開発のソナーシステムなど各種装備の水中試験を行う予定で、無人潜水艦ながら、二~四人が乗れるスペースを確保した。艦橋があるなど、Orcaと外観が大きく異なるのもこのためだ。

台湾軍は、国産潜水艦を建造で、重要装備の輸入交渉に散々苦労している。潜水艦はどの国でも軍機のかたまりで、相手が台湾の友好国でも装備の販売になかなか同意しない。国産潜水艦の建造では、装備の自国生産が不可欠との考えに至っており、この面でも台湾軍は「慧竜」を存分に活用する考えだ。

◇出典


https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews/4143699

 
https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=1&SerialNo=160707

 
https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=2&SerialNo=77504

 

https://news.ltn.com.tw/news/politics/breakingnews/3598772

 

https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=1&SerialNo=105286

 

https://www.upmedia.mg/news_info.php?Type=1&SerialNo=74559