台湾の中央通信社によると、中国民用航空局は、2月1日付で台湾海峡中間線近くのM503航路について、西寄り(中国本土寄り)の飛行ルートを変更すると発表した。また、中国本土から台湾海峡中間線に向かう航路2本の運航を始めることも宣言した。台湾交通省民航局は、一方的な航路変更だとして強く抗議した。(写真は中央社のサイト)
M503航路は2015年、台湾海峡中間線に沿って中国が一方的に新設した。機微な空域のため台湾が抗議したところ、同中間線から6カイリ(約11キロ)西寄りに飛行ルートが設定された。専門家は今回の飛行ルートの変更を「中間線をあいまいにするため」と指摘した。
台湾の民航局によれば、今回の変更では15年と異なり、中台間のやり取りは全く行われなかった。民航局は、中国側の航路変更の影響について関連機関とともに分析を行い、後に公表するとしている。
台湾の国防安全研究院・国家安全研究所の沈明室院長は、M503航路の飛行ルートの変更について「台湾海峡中間線の象徴的な意味を消し去るとともに、台湾の防空監視体制にプレッシャーを与える意味がある」と指摘。「中国の飛行ルートの変更は、戦争と平和の中間のグレーゾーンにおける行動だ」と述べた。
◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202401300363.aspx
https://www.cna.com.tw/news/acn/202401300359.aspx
https://www.cna.com.tw/news/acn/202401310002.aspx