文語文2019年導入の高校国語科の指導要領を巡り、四書五経など「文語文」が占める割合を巡る論争で、教育部国民学前教育署の邱乾国署長は10日、専門家45人による課程審議会の表決で45~55%にすることを決着めたと発表しました。新頭穀が10日伝えました。(写真は風伝媒のキャプチャー)
 
 風伝媒によると、指導要領案を作成する国家教育研究院が当初45~55%とする案をまとめましたが、教育部の課程審議会で、30%に引き上げるべきだとの提案が出てけんけんがくがくの議論が巻き起こりました。結局、「文語文」重視派の勝利に終わりました。

 文語文は儒教思想と絡むので、単に教養の問題というより政治とも関わりがあります。中国文明を相対的にみるかどうかで、文語文へのスタンスが違うようです。戦後、日本で漢文教育がほとんど消滅した背景と通い合うものがあります。

 自由時報によると、今回の文語文重視派の勝利に対して、台湾清華大台湾文学研究所の陳万益名誉教授は「とても失望した。古い国語教育体制にまだがんじがらめになっている」と話しています。高校の教師ら現場からも、もっと口語文の割合を増やすべきとの意見が挙がっています。

 今回の決定に際し、教育部も思想面で配慮をしており、教材の「中華文化基本教材」は「四書」に限らず、墨子や莊子など儒家以外の諸子百家からも採用することを決めました。