25年2月26日ケーブル米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、台湾の海洋委員会海巡署(海巡署)は25日、海底通信ケーブルを切断した疑いで、トーゴ船籍の貨物船「宏泰58」を台南・安平港へ強制的に戻し船内調査を行った。 

 台湾当局によると、「宏泰58」は中国の「便宜置籍船(船舶登録国籍と船主が異なる船)」で船員8名は全員中国籍。投錨後アンカーを引きずりケーブルを切断した可能性がある。台湾の海底ケーブル切断は今年に入り5件目。過去2年間も各3件起きている。

 台湾当局によれば今回の事件は、中国がグレーゾーン(戦争と平時の中間領域)で行った敵対行動の可能性がある。

 今年1月3日には、カメルーンとタンザニアに登録された中国の便宜置籍船「順興39」が、台湾北東海域の国際海底ケーブルをアンカーで損傷させた。「順興39」はその後、船舶自動識別装置(AIS)を切って逃走した。この事件を受け、台湾政府は海底通信ケーブルの保護を強化した。「順興39」の香港籍の船主は、ケーブル破壊への関与を否定している。

 1月15日と22日には、台湾本島と馬祖列島を結ぶ「台馬二号」と「台馬三号」の海底ケーブルが切断。台湾当局によればこれらはケーブル内部の老朽化が原因とされている。しかし、「台馬二号」は2月16日に再び完全切断した。

 23年2月にも、馬祖列島を結ぶ2本の海底ケーブルが6日間の間に相次いで切断され、馬祖のインターネットサービスが完全に遮断された。

 当時、馬祖住民は1カ月以上インターネットが使えず、その後、台湾政府はマイクロ波によるバックアップ施設を増設。現在では、海底ケーブルが切断されても通信への影響は最小限に抑えられている。


◇出典

https://www.voachinese.com/a/taiwan-reports-another-undersea-cable-cut-coast-guard-detains-suspected-chinese-ship-20250225/7987071.html