25年5月9日演説 台湾の頼清徳総統は5月8日、台湾外務省が台北市の台北賓館で主催した「欧州戦勝80周年記念茶会」で演説し、第二次世界大戦の勝利には三つの重要な意義があると述べ、中国を念頭に「平和を守るには侵略を黙認してはならない」と訴えた。台湾の総統が欧州大戦の戦勝に関して演説するのは初めてであり、台湾と国際社会との連携を象徴するものと位置づけられている。台湾紙の聯合報などが伝えた。

 頼総統は演説で、第二次世界大戦の勝利には三つの重要な意義があると述べた。第一に、侵略に立ち向かうために人々が団結したこと。第二に、当時の枢軸国が現在ではすべて民主国家へと転換したこと。第三に、平和を守るには侵略を黙認してはならないという教訓であると強調した。頼総統はまた、台湾と欧州が現在「新たな全体主義の脅威」に直面しており、自由を愛する国家と人々は、危機が拡張主義へ転じる前に連帯し、侵略の野望を封じるべきだと呼びかけた。

 式典には、蕭美琴副総統に加え、欧州連合(EU)代表事務所のギュルナー代表、英国代表事務所のジョーンズ代表、米国在台協会(AIT)の職員など、計17カ国の外交官が出席した。

 一方、野党・国民党は頼政権が欧州戦を記念しつつ、抗日戦争を軽視していると批判。朱立倫主席は、頼総統が「ヒトラーと同じことをしている」と非難し、独裁的姿勢を問題視した。前主席の洪秀柱氏も、法定の「九三抗戦勝利記念日」を無視したとして「国家の立場を逸脱している」と批判した。


◇出典

https://udn.com/news/story/124481/8727519

https://www.bbc.com/zhongwen/articles/c5yx3ev4l36o/trad