
演説会場は満席となり、ビリニュス大学の学生のほか、多くの政界関係者が出席した。来場者には、日本の駐リトアニア大使、エストニアの駐リトアニア大使、リトアニアの元外務次官、ポーランドを拠点とする国際機関「民主主義の共同体」事務局長らが出席した。
蔡英文氏は演説の中で、2024年には世界の人口の半数以上が選挙に参加しており、これは政権交代の機会をもたらすと同時に、民主主義と権威主義の対立を一層激化させていると述べた。そして「歴史が教えてくれるのは、自由と民主主義は決して当然のものではないということだ。不確かな時代にはこそ、私たちはその価値を守り抜かなければならない」と語った。
蔡氏はリトアニアと台湾が経験した権威体制の歴史を回顧。蔡氏によれば、リトアニアは旧ソ連支配下で言語と文化を抑圧され、台湾は38年間の戒厳令と学校内での台湾語の使用禁止を経験した。しかし、両国の人々は自由への信念を捨てなかった。特に1989年、リトアニア国民が「バルトの道」で手をつなぎ、当時のソ連の支配に抗議した感動的な光景は、台湾の民衆にも大きな励ましとなった。
◇出典
https://www.cna.com.tw/news/aipl/202505130013.aspx