25年5月26日浮き輪 海洋委員会海巡署(海巡署)は23日午前10時20分ごろ、台湾の金門島沖の北西約0.7カイリ(約1.3キロ)の海域で、浮き輪につかまって海面を漂う男を発見した。同署の巡視艇が急行して男を拘束し、中国籍であることを確認した。男は金門大胆島への侵入を図ったとみられる。台湾メディアの風伝媒が伝えた。

 台湾側は、相次ぐ不法侵入が、軍事行動と非軍事行動の中間に位置する「グレーゾーン」で、中国が意図的に嫌がらせを行っている可能性があると警戒している。情報や心理面で台湾社会に影響を与えようとする「認知戦」の一環である可能性も排除していない。

 海巡署によると、今回の事件は今週に入って2件目。同月20日には、2人の中国人が発泡スチロール製の浮板を使って金門二胆島への不法侵入を試みたが、海巡署によって阻止された。

 大胆島・二胆島は台湾の最前線に位置する戦略拠点であり、中国のアモイからわずか4.4kmという近距離にある。海巡署は以前からこれらの海域を高リスク地域と位置づけ、陸と海の監視・パトロール体制を強化。24時間体制での警戒を続けている。

 海巡署は「これらの行為が中国共産党による認知戦の一部である可能性を排除できない」と指摘。継続的かつ低コストでの侵入行為を通じて、台湾側の国境防衛体制や対応能力を試し、社会心理を攪乱しようとしている疑いがあるとみている。

◇出典

https://www.storm.mg/article/11040793