2018 年2月19日風力発電 ドイツの4大発電会社の一角、EnBWが12日、台湾・彰化沖の海上風力発電所「海鼎風場」への出資を表明しました。上緯国際投資控股(台湾・南投県)とオーストラリアの投資銀行、マッコーリーキャピタルの合弁事業で、EnBWは37.5%を出資します。風伝媒が伝えました。

 海鼎風場は彰化沖の38~62キロにあり、発電設備容量は2ギガワット(GW)。環境影響評価には合格しており、2021年には完成の見通しだということです。

 EnBWは従業員約2万人の大手発電会社ですが、2013年からグリーン・エネルギーへの転換を始めました。ヨーロッパでは既に336メガワット(MW)の風力発電所を運営しています。ヨーロッパ以外への進出は今回が初めてです。


★参考情報★
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 台湾の洋上風力発電は、世界大手のデンマークのドン・エナジー(デンマーク)も進出を決めるなど、ヨーロッパの風力発電大手の台湾進出が続いています。


台湾の風発の主体が海上の稀有な国

 ニュースサイトの風伝媒の論評によると、他国で風力発電は陸上が主力、海上が補助ですが、台湾は海上が主力の稀有な国だそうです。山がちな国土で人口が多く、風力発電にふさわしい土地が余りに少ないためです。

 しかし、海上風力発電の発電コストは陸上の2倍。そして、台湾の電力需要のピークは夏なのに、台湾は夏に風が最も弱くなります。発電設備容量の5~6%しか供給できないそうです。

 台湾政府は6000億元(約2兆2000億円)で600基、発電設備容量300万キロワット(kW)の風力発電所を造る計画です。しかし、6%であれば夏のピーク時に18万kWしか供給できないことになります。

 天然ガス火力発電なら、30億元(約110億円)で発電容量20万kWの設備1つの設置できてしまいます。

発電コストは原子力の6倍
 
 秋と冬は台湾で強い風が吹きますが、不安定な風力発電に頼らなくても、電力は十分に足りてしまいます。

 風力発電は二酸化炭素の排出ゼロのメリットがあるとの主張がありますが、原子力発電も二酸化炭素は出しません。そして1MW当たりの発電コストは原発の1元に対し、風力発電は6元もかかります。
 
 論評は、そうまでして海上風力発電所を整備する必要があるのかと疑問を投げかけています。筆者は傾聴に値するの意見と思います。